井之脇海、俳優の先輩・香川照之に勧められた大学進学「行ってよかった」
大学でアイデンティティが形成された
――それを井之脇さんは感じた。
井之脇:はい。僕は映画の学校に行っていたので映画について話していますが、どの分野であってもそうなんじゃないかと思うんです。もちろん、現場での学びも大切ですが、先生方の歴史と一緒に学ぶということは、大学時代にしかできないことなんじゃないかと。僕は行って良かったと思います。それと同時に、やはり仲間たちの存在も大きいです。
――そうですね。
井之脇:同じ年くらいの学生がたくさんいる中で、あーだこーだディスカッションする時間は本当にかけがえのない時間でしたし、そこで自分の映画に対する考え、価値観、もっと言うならアイデンティティや性格を形成する、大きな影響を与えられた4年間だったと思います。
仕事は苦しくて当たり前
――本作では朔の心情をとても繊細に表現されていますが、昨年のドラマ『俺の家の話』では体重を増やしてプロレスラー・プリティ原を演じて話題を集めました。そして先ごろ公開された『ONODA 一万夜を越えて』では一転して体重を減らしていました。撮影時期は全く違うと思いますが、どのくらい体型を変えたのでしょうか。
井之脇:『ONODA』のときは、カンボジアでの撮影で正確な体重は測れませんでしたが、52~53キロだと思います。
――井之脇さんは背が高いですよね。
井之脇:178センチです。『俺の家の話』のときは76キロくらいですね。まあ、違うといっても、24~25キロ程度の差だと思います。
――十分スゴイです。役になるうえでの必然と捉えて、苦痛ではないのでしょうか?
井之脇:苦しいですよ。でもそれは当たり前というか。仕事って、楽しいだけじゃなくて、苦しいこともあると思うんです。役の人生を任されたからには、責任を持ってやらなければいけないと思いますから。