メジャーになっても「名古屋が本拠地」

　名古屋の街なかには、SKE48劇場をはじめとしたさまざまな公演劇場やライブハウスも立地しており、名古屋発のアーティストの多くがメジャーデビューを果たしてもなお「名古屋を本拠地」とし続けていることも特徴だ。こうした地域密着性も「芸どころ・名古屋」らしいものだといえよう。

（もっとも、最近グラビア界でも話題の「煌めき☆アンフォレント（キラフォレ）」のように、名古屋の事務所所属でありながらも人気が出ると首都圏での活動が中心となってしまう例もあるのだが……）

サカエの一等地にある「松坂屋さくらパンダ広場」では、毎週様々なアイドルや地元アーティストがステージに登場、市民が声援を送っていた（名古屋市中区、撮影：栗花落さん）

「職住近接」である名古屋は、音楽ライブやスポーツ観戦の利便性も非常に良い。

全国区のアーティストやスポーツを「ハシゴ観戦」！

　中日ドラゴンズの本拠地であり、大物アーティストの「5大ドームツアー」の会場になることが多い「バンテリンドームナゴヤ（ナゴヤドーム）」の最寄り駅「ナゴヤドーム前矢田駅」は市中心部・サカエから電車で1本、わずか16分の距離。

　さらに「ドルフィンズアリーナ（愛知県体育館）」「日本ガイシホール」「名古屋市公会堂」「日本特殊陶業市民会館」「Zepp Nagoya」「名古屋 CLUB QUATTRO」「NAGOYA ReNY limited」などといった、名古屋市内にある世界的・全国的アーティストの公演や大型スポーツ競技がおこなわれる有名会場は、いずれも名古屋駅・もしくは栄駅から電車で1本の場所にある。

JR笠寺駅と陸橋で直結する「日本ガイシホール」。さまざまなアーティストの全国ツアーでもお馴染みのこのホールも「名古屋駅から電車で約11分」という好立地だ（名古屋市南区）

　有名アーティストの「全国ツアー」がある際、名古屋公演が開催されずに「名古屋飛ばしだ！」といわれることがしばしばあるのも事実だが、その一方で、もし名古屋公演がおこなわれるとすれば、多くの場合で「会場は名古屋市中心部から電車ですぐの場所」となるのだ。

　さまざまなアーティストの全国ツアーが再び開催されるようになった昨今。ドルオタの貴方もバンギャの貴女も、名古屋に転勤して毎週末「ワンコインの交通費で有名アーティストのライブをハシゴする」という夢のような時間を過ごしてみてはどうだろうか。

＜取材・文・撮影／ナカガワタイガ・若杉優貴（都市商業研究所）＞