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孤独死がコロナで増加…特殊清掃バイトは1現場で8000円。“見つけたもの勝ち”の実態は

ビジネス

多い日には5万円ほどの報酬が

5万円

 会社内では“ベテラン”の域に達しているという青木さんの報酬は、1現場あたり8000円。3現場を回ると、朝から晩まで働いて、1日で2万7000円もの日当を得ることになる。

 そこに小口の現金や金券類、さらには指輪などの貴金属類などといった“戦利品”を加えることで、多い日には4~5万円ほどの報酬を得ることも可能だという。

 もちろん、こうした遺留品は本来であれば遺族、あるいは賃貸なら物件オーナーのものになる場合もある。「それこそがこのバイトの魅力」だと青木さんは語るが、こうした行為に手を染めることは決して許されるものではない。

高収入を獲得するには覚悟と体力が必要

「もともとこの業界は料金の6~7割が儲けの世界なので、基本的にバイト代は高めですし、思わぬお宝を掘り当てることもある。会社全体としても、別のチームが介護・福祉系の事業をやっている関係で、依頼は安定していますしね。

 リスクといえば、コロナ感染を除くと、せいぜい、仕事に慣れるまで、食欲も性欲も失せることぐらいじゃないでしょうか(苦笑)

 倒産や廃業、事業縮小が相次ぐコロナ不況にあって、かえって業績を伸ばし続けているという特殊清掃の世界。

 青木さんのように高給を得続けるには、それ相応の覚悟と体力が必要になりそうだが、目下、そこには“生臭い”現実が存在しているといえるのかもしれない。

<取材・文/浦佳行>

生活困窮者のライフスタイル、彼らが引き起こす事件・犯罪のほか、アウトロー系全般の取材を20年以上続けているルポライター。近年では犯罪組織のグローバル化に伴い、主に中華圏の人々によるSNS投稿なども定点観測中

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