苦境の串カツ田中でアイドルが接客。“異色の店舗”誕生の舞台裏を聞く
実際に働くアイドル店員の声は
スタッフの声はどうだろう。高校時代、三重県内の串カツ田中で1年ほどアルバイトをしていた愛渚叶らむさん(@manaka_ramu)。アイドルになりたいと憧れて2021年5月に上京。店舗スタッフとしての経験も生かして、アキバあいどる店へ応募したという。
「実際、働き始めたのは6月のオープン時からでした。今は、アイドルでのデビューを控えながら、週4〜5日ほどのシフトで働いています。オープン後の緊急事態宣言中はSNSの個人アカウントを通してしかお客さんとふれあえなかったので、ようやく、顔を見て話せるので楽しいです。
一緒に働くスタッフの中にはグループの現役メンバーもいるので、ライブ後にその子のファンの方がお店に足を運んだり、そうした光景を見ていると『アイドルに一歩近づいた』と実感もわいてきます」
アイドルに興味あるスタッフが働く
ファンに笑顔を届けるスタッフは、現役アイドルや将来の活躍を夢見るアイドルの卵とルーツも様々。ただ、コロナ禍では人材の獲得にも苦戦したと、谷川氏は言う。
「アキバあいどる店について公に初めて告知したのが2021年1月です。ただ、4月オープンの予定が緊急事態宣言の影響で6月にずれこみ、採用しても働けず辞退する子たちもいました。弊社としてもいつオープンできるか分からない状況でしたし、そもそも『働きたい』という意思に加えて『アイドル』に関心がある子となると、絶対数が限られていたのもネックでした。
そのためできるだけ間口を広くし、現在はルーツも様々に色々なスタッフが働いています。事務所に所属しているか否かに関わらず、スタッフ同士の繋がりでデビューのチャンスをつかむ子もいます。店舗としては採算が合えば目標は達成されるので、お客さまへ日頃の活動を告知したり、アピールの場として自分のステップアップにも役立ててもらいたいと考えています」