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創業120年の老舗が初挑戦「地球に優しいスイーツ」。醸造粕がオシャレに変身

ビジネス

「アップサイクル」という、廃棄予定の物品に付加価値を付けワンランク上へと押し上げる概念をご存知だろうか。パンの端を使ったクラフトビール、野菜の皮を使ったチップスなど……。そんな「アップサイクル食品」に取り組んでいるのが「日の出みりん」でお馴染みのキング醸造株式会社だ

キング醸造

左から、丸井慎太郎氏、蕨野裕哉氏、竹山慎一郎氏

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 同社が新たに立ち上げた「ORYZAE JOY(オリゼージョイ)」シリーズは、2021年2月に、みりんや清酒の醸造過程で出る「醸造粕」や「酒粕」を再利用したスイーツを販売。

 創業120年という歴史を持つ企業が、これまでのコンセプトとはがらりと異なる商品に挑んだのはなぜか。プロジェクトリーダーの竹山慎一郎氏、マーケティング担当の丸井慎太郎氏、設計・開発担当の蕨野裕哉氏に話を聞いた。

創業120周年の記念事業だった

「オリゼージョイ」シリーズは、2020年の創業120周年を機に発足したプロジェクトだ。その1年前に、経営陣から竹山氏に「120周年を迎えるにあたり、記念商品を考えてほしい」と打診があったという。

「周年記念の企画といえば、創業当時の復刻版や今できる限りの最高峰な商品を作るというのが定番だと思い、提案。すると『打ち上げ花火みたいな一発ものじゃない。120年の積み重ねを活用しながら、未来に向かった成長のきっかけになるような商品を考えてほしい』という依頼があったのです」(竹山氏)

ゼロからのスタート

キング醸造

「日の出みりん」のイメージとは異なるパッケージ

 現在のコアメンバーは4人だが、立ち上げにあたっては、営業や総務など社内のさまざまな部署から1人ずつ選出しプロジェクトメンバーを集めた。会社で一丸となってスタートしたオリゼージョイだが「今まで培ったものを活用する」という前提以外はゼロの状態だった。

「クラフトジンのプロデュースやレストランとのコラボなど、アイデアは多岐に渡りました。スイーツに絞られてからも、プリンやクッキー、エナジーバーなど選択肢はさまざま。そして、酒粕とマッチし、『ホッと一息をつきながらお菓子を食べる』コンセプトに沿うものということで『ラテ』『ショコラクランチ』『ショコラサンド』という3種類に決まりました」(竹山氏)

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