女装のオカルト研究家が分析する“陰謀論”「信じてしまう人は繋がっている」
陰謀論にハマる前に、立ち止まれるよう
――陰謀論を知らない人、これから足を踏み込んでしまいそうな人が読んで事前に学べるように、ということですね。
雨宮:あたかも新しい考えであるかのように盛り上がっているものを見た時に「あれ、これ言っている人はこの思想のルーツを実は知らないんだな」と気付けたら、そこでちょっと立ち止まれるんじゃないかと思うんです。霊的な階層がどうこう言っていたら「神智学からだな」みたいに。
新しいことっていうのは相当な天才でないと生み出せないと思います。
最近の陰謀論にしても、大体がこれまであった考え方の焼き直しだと感じます。そういう意味でも、新しくて面白い意義のあるエンタメやアニメを作れる人はすごいと思いますね。そっちを楽しめる人であれば、陰謀論だけに熱中しなくて済むのではないかな。
悪徳商法の勉強会に参加してみて…
――雨宮さんは陰謀論に対してもそうですが、ネット上の怪しい商法やスピリチュアル・ビジネスなどへの言及もされていますね。そうした啓蒙活動の動機は何だったのでしょうか?
雨宮:精神世界の勉強をしていた頃には、スピリチュアルなどへの悪いイメージはなかったんですよ。ただ、社会人になって、後に悪徳商法の中にいると発覚する人の勉強会に行った時にスピ系の人と遭遇して、「この人は何を言っているんだろう」と感じて。
その人の勧めてくる考え方は自分が中学校の時に読んだような話ばかりだったんです。それなのに何を偉そうに言ってくるんだろうと。すごく嫌になりまして。
意識高い系の人が、自分が知っている自己啓発を押し付けてくるように、ただそういう本を一冊読んだだけじゃないかと。偉そうにされてなんだか嫌だなと思ったのがきっかけで、色々と調べるモチベーションになりましたね。