関西スーパー買収劇、H2Oとオーケーの対立が泥沼化。“百貨店の凋落”が背景に
大躍進を続けるオーケー
また、オーケーの提案は関西スーパーの業績に関係する明確な戦略が盛り込まれていました。オーケーは高品質・低価格路線を強みとしており、そのノウハウを関西スーパーに浸透させて競合他社との差別化を図ろうとしていました。オーケーは極めて業績の良い会社です。売上高は2桁増を続け、経常利益率はコロナ特需が生まれる前でも5%と驚異的な数字でした。
業績が低迷していたエイチ・ツー・オー
関西スーパーはコロナ特需で売上高はやや持ち直したものの、経常利益率は2%台と低迷しています。オーケーの傘下に入ることにより、業績が回復するとの期待が持てるのも当然です。
オーケーの提案を退け、エイチ・ツー・オーが何としてでも関西スーパーを手に入れたかった理由は2つあると考えられます。1つは本業の百貨店事業がコロナでズタズタになり、回復の見通しが立っていないこと。もうひとつはスーパーマーケットが、規模の経済の働きやすいビジネスであることです。