衆院選で注目「ベーシックインカム」が困窮者を救う。生活保護では不十分なワケ
毎月お金がもらえるのは嬉しいが…
井上氏に理想的なベーシックインカムを聞くと、「導入のためには、クリアすべき2つの原則があります」と話す。
1つ目は「困窮者をより困窮させてはいけない」、2つ目は「均衡財政主義をとらない」ことだ。
「ベーシックインカム導入にともなって、今生活に困っている人が余計に困るようなことになれば、ベーシックインカムは怨嗟の的にしかならないでしょう。
また、均衡財政主義というのは、政府は税収以上に支出せずに、借金が増えないようにしなければならないというもので、これを前提にベーシックインカムを導入しても、誰かが得した分誰かが損することになる。再分配政策にはなり得ても、景気対策としてはあまり機能しない。みんなが得して気分が良くなる政策になる必要があります」
肝心の財源はどうするのか
たとえベーシックインカムを導入しても、より生活に困窮する人が出てくるのは驚きだ。それでは財源はどうするのだろうか。井上氏は「さしあたり財源は国債です」とキッパリ。
「社会保障制度も税制も一旦放置して、国債をバンバン発行して財源に充てるほうが手っ取り早い。以前はこんなことを言うと『国の借金を増やすのか!?』という意見も聞かれました。ただ、日本が簡単には財政破綻しないことが周知され、国債発行に対する風向きも変わりつつあります」
財源に関しても国債なのか税金なのか、それとも他の何かなのか、しっかり意識を向けなければいけない。