日本酒とフルーツは意外にマッチする。料理とお酒を楽しむ「4つの黄金ルール」
「カプロン酸エチル」が多いお酒とは?
「カプロン酸エチル」の多い吟醸系のお酒は、リンゴそのものやドライアップル、アップルパイなどと一緒に飲めば、爽やかで甘酸っぱいリンゴの風味がより感じられ、華やかさも倍増して楽しめる。「酢酸イソアミル」の多い吟醸系のお酒は、バナナそのものやドライバナナ、バナナタルトと一緒だとバナナ特有の甘さやエキゾチックな風味が何倍にもなって意外なおいしさを体験できる。いや、本当です。
しかし「カプロン酸エチル」や「酢酸イソアミル」などは、ラベルに書いていないし、一般消費者にはわからない情報なので、日本酒専門店などで、「リンゴっぽいの」とか「バナナっぽいの」などと聞いてみれば、それに見合った銘柄を教えてくれることがあるので、聞いてから購入をお勧めしたい。
またここまでピンポイントでなくても、吟醸系は、どこかフルーティーで華やかさがあるので、好きなフルーツやフルーツを使ったスィーツと一緒に飲んでみてほしい。自分好みの組み合わせが見つかるかもしれないし、きっと、意外な相乗効果、フルーティーさのハーモニーで新しい発見があるはずだ。
そこまでフルーツと一緒に飲みたくないという人もいるだろう。そういった時には、たとえば、白身魚のお造りに柚子をたっぷりかけたものとフルーティー系の日本酒を合わせてほしい。ゆずのフルーティーさとの相乗効果を違和感なく楽しめるだろう。いずれも、日本酒は、ワイングラスのような香りを楽しめる形状のもので、温度は冷たくした方がおすすめ。
2つ目のルール「マリアージュ」とは?
ちなみに、4つの黄金ルールの「2.マリアージュ(第3の味わい)」とは、お酒と料理が、まったく異なる「香り」「味わい」「後味」「余韻」同士なのに、口中で一緒になることによって、別の味わい、第3の味わいが生まれる状態をいう。他人同士が結婚(マリアージュ)し、あらたな家庭ができ、子供が生まれる、第3の新たなものが生まれることからのたとえだ。
代表例は、フォワグラのテリーヌにソーテルヌ(フランス、ボルドー産の貴腐ワインで、はちみつのように甘美な天然極甘口の希少ワイン)、または、フランス産のロックフォールやイギリス産のスティルトンなどの青カビチーズにポートワイン(ポルトガルの酒精強化ワインで、濃厚な甘さのあるワインで赤が多い)などだが、少々グルメすぎてイメージができないかもしれない。
お酒ではないが、たとえば、凝縮した味わいの生ハムにジャムのように甘くなった完熟メロンを組み合わせる生ハムメロンはまさに第3の味わいといえるし、イタリア産の青カビチーズであるゴルゴンゾーラにはちみつをかけて食べることもこのマリアージュ的な楽しみ方だ。