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習近平氏の「中国は世界的なロールモデルになる」は遠い夢。人民元は世界の基軸通貨になり得ない

ビジネス

人民元は世界の基軸通貨になり得ない

 マイケル・ルイスのベストセラー『The Big Short』のモデルとして知られている投資家のマイケル・バーリが最近、「人民元がそのうち世界の基軸通貨になる」とツイートしていたが、それはあり得ない話だ。

 人民元が国際金融取引でどの程度使われているかというと、2017年の時点で全体の1.6%しかないとされている。これが多少増える可能性はあるにしても、おそらく大きく増えることはないはずだ。

 基軸通貨としての機能を果たすには、世界中がその通貨を資産として持つことを認め、それを国際通貨としてリザーブできるようにする必要があるが、人民元にはそれを担保できるほどの信用はない。

「外貨準備高」と「対外純資産」

中国 経済

 たとえば、アメリカが中国からモノを購入し、その対価としてドルもしくはアメリカ債を渡すことになれば、中国はアメリカの資産を持つことになり、将来的にもアメリカが生むキャッシュフローを中国はリザーブできることになる。つまりドル資産を中国は保有することになり、外貨準備高と言われているものがこれに相当する。

 中国の外貨準備高を見てみると、国家外貨管理局によれば2021年3月末の時点で約348兆5170億円となっており、2月末に比べて約3兆8400億円の減少だった。

 一方、中国の対外純資産(国が海外に保有している資産から負債を除いたもの)は世界第3位の約232兆円となっているが、外貨準備高と約116兆5170億円の開きがある。ちなみに日本の対外純資産は約356兆9700億円に上り、30年連続で「世界最大の純債権国」の位置を維持している

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