通学中に吐きそうに…女優・小野花梨、つらかった10代の経験は「無駄じゃなかった」
人として当たり前のことをやる
――売れなくてよかった?
小野:たぶん小さい頃にボーンと売れていたら、わたしは天狗になっていたと思うんですよね。人に感謝もせず。
――今、仕事で大切にしていることはなんでしょう?
小野:それはたくさんあります。人と人がつながってできるお仕事ですから、機械じゃできないというか。ありきたりですけれど、人への感謝を忘れないことですかね。あとは自分の機嫌で人に対する態度を変えないこと、そういう当たり前のことですよね。役者だから許されるのではなく、人として当たり前のことをやる、ですかね。
ときには逃げてもいい。“楽しく”が正義
――最後になりますが、同世代へのアドバイスをお願いします。
小野:悔しいけれど、言い分がどんなに合っていても、その場の正解じゃないことってあるじゃないですか。「ド正論でしょう?」ということでも、理不尽なルール、意味のない時間って、組織の中にはいっぱいあると思う。それって、個人の努力ではどうにもならないんですよね。そういう社会だから。
なので逃げていいと思うんです。頑張るって素敵な言葉のようだけれど、そうじゃないときもある。素敵に響くときもあるけれど、頑張らなくていい瞬間はあると思うから、“楽しく”が正義であると思います。
もちろん人に迷惑をかけてはいけないことは当たり前ですが、自分が楽しくできることが理想ですよね。これ言われなくても、みなさんわかってますよね(笑)。でも、努力は必ず報われるとも言いますが、そうじゃないこともたくさんあるんです。だからぜんぜん逃げていいよ、とわたしは思います。逃げることを選択肢として持っておくこと、それが大切なことかなと思います。
<取材・文/トキタタカシ>