LINEは海外ではマイナー。世界中が使ってるNo.1チャットアプリとは
また、中国での買い物は同社が提供するスマホでの決済サービス「WeChat Pay(ウィチャット・ペイ)」が主流になっているため、都市部に暮らす学生やビジネス層で同アプリを持っていない人は皆無と言っていいでしょう。
ただこの決済サービスを利用するには“中国国内”で金融機関口座を持っていることが大前提。日本を含め計25国が中国人観光客を狙って導入していますが、現時点では国外ユーザー向けに決済サービスを提供する予定はないそうです。
チャットだけでは世界に通用しない?
では、LINEにはどれくらいのユーザーがいるのでしょうか? LINEは現在、日本国内で7500万人が利用、世界全体では2億人近くのアクティブユーザーがいます(「グローバル・デジタルレポート」2018年1月27日より)。
かなりの数字ですが、上位3つのチャットアプリと比べるとその差は歴然。WeChatの3分の1にも満たない利用者です。この状況を受け、LINEは既存サービスの利用者を増やすことよりも他分野への進出に意欲的のようです。
Tech Crunchによると、今年7月、日米以外の各国からアクセスできる仮想通貨取引所BitBox(ビットボックス)をオープン。さらに8月からは、すでに提供していたスマホ決済サービス「LINE Pay(ラインペイ)」のユーザー向けポイント制度を強化するほか、加盟店を増やすため専用端末の開発を急ぐ方針を明らかにしています。
しかし、LINEの今後の躍進の鍵を握りそうな決済サービスですが、この秋からソフトバンクやAmazonも同様のサービスに参入するとあって、なかなかスムーズに事は運ばないかもしれません。
日本人なら誰もが知るチャットアプリは、世界に目を向ける前にまず国内での競争に手を焼きそうです。
<TEXT/橘エコ>
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