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1年目不動産ベンチャー社員「社内の不正行為の末に」不当解雇に遭った理由

学び

ウソの密告でKさんが窮地に

 一見、その事件とKさんの転職あっせん疑惑に繋がりは無いように思えますが、「社内不正の行為については社長を含めた経営陣はすでに知っていたようで、密かに取り調べを行っていたようです」(Kさん)。そこで主犯格である課長の右腕として暗躍していたKさんの同期が先に取り調べを受けたのですが、どうやらこの社員が新社長の“お気に入り”だったようです。

「その同期はかなり新社長のことが好きだったようで、いつも媚びを売っていました。あまりに社長にべったりなので色々と噂話も立っていました。ただ、主犯格の課長と共に悪事を働いていることがバレて、取り調べを受けたそうです。お気に入り社員であったことから社長はかなり落胆したとか。そこで何を思ったのか、最後に社長に嫌われたくない一心で嘘の密告をしたそうです」

 嘘の密告とは、社内でも好成績を出しているKさんが社内の同期に対して転職あっせんをしてるというもの。「それで僕が後日社長から呼び出されることになったのです」とKさん。ここから一気に話が加速します。

密告者からは聞けないまま退職をする

解雇通知書

会社から渡された解雇通知書

「その密告者の同期と話したかったのですが、先に彼が辞めてしまい、連絡も取れなくなってしまいました。なぜ、僕をハメめたのかはいまだに確かめることができなかったです。

恐らく、その同期は営業成績も良いとは言えない状態だったので、うまくいっている僕を妬んでいたのではないかと思います。さらに自分の好きな社長に対して、日頃から盾ついていた僕が気に入らなかったのかと」

 Kさんは事実無根だと訴え続け、社長との面談時は、ボイスレコーダーを使って録音していたそうです。 

「録音を聞いてもらえばわかるのですが、決定的な証拠は無く、向こうは証言だけで解雇だと言うのです」。筆者も実際にボイスレコーダーを聞きましたが、「転職あっせんをした」「してない」の押し問答で、社長側は「証言がある」の一点張りでした

 その後、Kさんは弁護士にも相談をしたものの、対企業ということから「仮に決着が着いたとしても大した額は取れない」とのことで、時間と体力を消耗するだけと判断し、諦めて退職を決意しました。

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