「小遣いが稼げる」甘い言葉につられた自分が憎い!貯金も友人も失くした22歳男性
僕の会社の株を買えば絶対に儲かる
「あまり教えたくはないけど、僕の会社の株を買えば絶対に儲かる」と言われます。内容は、眉澄さんが実際に株を買うのではなく、クレジットカードを作ってキャッシングし、そのお金を志垣に渡すだけという簡単なものでした。渡す金額に応じてマージンも異なり、10万円渡せば半月で2万円儲かると言われます。
「100万円ぐらいの貯金はありましたが、志垣に『生活していると、冠婚葬祭もあるし、急にお金が必要になることもある。貯金はしっかり置いておいて、お金が増えはじめたら、そのお金を俺に渡せばいい』と言われ、すごく僕のことを考えてくれているんだと思ってしまったんです」
まったく怪しまなかったわけではなかったものの、眉澄さんは10万円キャッシング。志垣に渡したところ、半月後には2万円が振り込まれます。半信半疑で振り込まれた2万円を志垣に手渡そうとすると、預けるのは5万円単位になると説明されます。追加で3万円わたすと、その半月後には3万円が振り込まれました。
「そんなことが3か月続いて、僕はそれに味を占めてしまったんです。そのとき、『事業拡大したいので、あらたに株を発行する予定。できればたくさん株を買ってほしいので、友達を紹介してほしい。紹介すれば、1人につき3万円渡す』という言葉を信じ、仲のよかった友達3人を紹介してしまいました」
おいしい話には裏がある
しかし、そのうちマージンの振り込みがなくなり、気づいたときにはクレジットカード枠もキャッシング枠も上限に達していたそうです。そして、バーに行っても志垣に会うことはできず、しばらくは店に来ていないし、詳しいことはわからないと言われてしまいます。
「紹介した友達からは『振込がない』と責め立てられて放置するわけにもいかず、僕の貯金と両親にウソをついて借りたお金でどうにか2人の分200万円ほどは返済しました。でも、友人たちからは『犯罪まがいのことに巻き込むな』と言われ、縁を切られています。自業自得ですが、悲しいです」
深く反省する日々を送っている眉澄さんですが、100万円超えの自分自身の借金は、まだ返し終わっていないと言います。
眉澄さんのように、突然知り合った相手から「小遣いが稼げる」などと持ち掛けられた場合には、怪しい話であることがほとんど。相手の素性や業務内容がハッキリとわからない場合は、手を出すべきではないと言えます。
<TEXT/山内良子 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>
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