パチスロで借金120万円の28歳が「小遣い3万円生活」を送ることになったワケ
借金を重ねるようになる有り様
すでに金銭感覚は麻痺していたため、家賃分や公共料金の支払い分を手元に残しておこうと考えはなく、最優先に考えていたのはパチスロの軍資金。それでも収支がプラスになればまだいいですが、そんな展開にはならず、家計はもちろん火の車。給料日から半月ほどでお金がすっからかんになってしまうことも珍しくありませんでした。
「でも、その場合も銀行ローンでキャッシングすればいいやって程度にしか思っておらず、自分の中ではATMのような感覚で使っていました。本当は借金していただけなんですが、そういう認識もできない状態になっていたんです」
もちろん、ローンなので返済は必要ですが必要最低限の額しか入れず、さらに借金に重ねる有様。挙げ句の果てには別の銀行ローンから借りたお金を返済に充てるという悪循環に陥っていたといいます。
借金がバレて実家に連れ戻される
「気がつけば借金の総額は120万に達していました。さすがにこのころになると自分でもヤバいと自覚するようになっていましたが、この状況を打開することができず借金は膨らむ一方でした」
そんなある日、たまたま用事で上京していた加藤さんの母親がアポなしで彼の自宅を訪問。彼は不在でしたが、このとき部屋に置いてあった公共料金の督促状を見られてしまったのです。
そのことを後でしつこく問い詰められ、借金があることを白状。すると、この話を聞いた父親が激怒。半ば強引に会社をやめさせられ、実家に連れ戻されてしまったそうです。
「父はすごく厳しい人で、東京に残りたいといっても聞き入れてくれるような人じゃありませんでした。それに僕自身、今のままでは破滅まっしぐらでしたし、実家に戻るのも仕方ないと受けれてしまったんです。会社ではそれなりに働いていましたが、特にやりたい仕事ではなかったですし、未練がなかったのも大きいかもしれません。両親からは死ぬほど怒られましたが、その一方でホッとしている自分もいました」