競馬で毎月15万負け続けた新卒男性。仕事にも支障をきたした結果
大金を賭けるYoutuberに触発され…
競馬にのめり込んでいった藤原さんは、YouTubeでも競馬関連のコンテンツを見るようになります。主に視聴していたのは、予想モノや大金を賭けてその一部始終を撮影した実践モノでした。そのなかでも藤原さんは、「複勝ころがし」という賭け方を行うYouTuberにハマっていきます。
「『複勝転がし』は、的中したレースの払戻金を、次賭けるレースに全額つぎ込む掛け方です。例えば、1レースで1万円賭けて、それが的中して2万円になったら、次賭けるレースに2万円突っ込むという流れです」
醍醐味は、的中が続けば軍資金が膨らみ、当てやすい複勝で元手をかけずに配当を増やしていけるところ。しかし、当然ながら一度外れたら、元手をすべて失います。いくら堅実に立ち回っても、競馬で何連勝もするのはなかなか難しいものです。
やめ時をきちんと決めれば「勝ち逃げ」できるのですが、なかなか引き際がつかめず、「複勝転がしはほとんど失敗していた」と藤原さん。それでもYouTuberの「複勝転がしで100万円突破!」「1万円から〇〇円に!?」といった動画の成功体験に煽られ、ついつい同じ過ちを続けてしまったと振り返ります。
平日も競馬三昧、仕事にも支障をきたす
「いつも1万円から複勝転がしを始めて、最終的に元手を失って、また新たに1万円を投資して……ということの繰り返しでした。複勝転がし以外でも、自信のあるレースは別で買っていたこともあり、毎月平均で15万円ほど負けていたと思います」
大金を賭けるスリルもやめられない要因だったと振り返ります。ただ、掛け金が大きくなるほど「あそこでやめていれば……」「あの時、当たっていれば……」という悔しさもより一層尾を引きます。
やがて藤原さんは、土日だけでなく、平日に開催されている地方競馬にも手を出すようになります。一度、競馬やお金のことを考え始めると、仕事に集中できず上の空だったのだとか。営業職だったため、外回りと伝えればサボれるのをいいことに、喫茶店などで結果を確認していたといいます。