初舞台でまさかの失神。32歳・植田圭輔の“プロ意識が芽生えた瞬間”
くじけそうでも「芝居ができていればいいか」
――なぜ、引き際を考えるほど追い込まれていたのでしょうか?
植田:食べていけていなかったのと、人に認めてもらえていない感じがしていました。求められなくなったら俳優は終わりだなと思っているのですが、求められている感じがずっとなかった。もちろん応援してくださっている方はたくさんいたのですが、もっと上に行かなくてはと、つねに思っていましたし、自分にそういうハードルを課していたんです。
――くじけそうなときはどう耐えたのですか?
植田:結局、お芝居をしている時間が一番好きなんだなと思えるようになったんですよね。いろいろな作品に出ているうちに、お金がなくてもしんどくても「芝居ができていればいいか」と、どこかで心の支えになっていたのかもしれないですね。
――歌手活動も始めましたよね。
植田:歌はお芝居とは別物だなと思っているんです。ライブが近いと歌用に喉のコンディションを整えなくてはいけないのですが、役者は歌うときとは違う感じで声を張ることが多いんです。いつでも歌えるような声の状態と、全力で芝居の声を出せる状態、両方できるようにしておかないといけないんです。似ているようで、のどの使い方とかは違うので、そこが大変ですかね。
アンダーグラウンドな作品が好き
――そして今回『クロガラス』が連続公開となりますが、ご自身にとってはどういう作品でしょうか?
植田:この作品は、主演の崎山つばさと僕でバディを組みますが、僕らは同い年なんです。映像作品で、2人で続けていきたいと本気で言い合えている作品は、なかなかないと思うんですよね。
僕もつばさもこういうアンダーグラウンドな作品が、好きなのかもしれないです。原作がないオリジナルであり、それでいて練り込まれた脚本、人間の汚い部分も隠すことがないとうか、挑戦的な作風でもあるので、これからもシリーズが続いて、僕のライフワークのひとつにしていきたいなと思っています!
――幸せなことですよね。
植田:本当にいい現場で、監督とも素敵なセッションをさせていただいていて、やりがいも感じています。本当に楽しいので、続けていきたいと思っています。