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UberEats配達員は清潔感がない?糸井重里氏の炎上ツイートに、配達員側の本音とは

ビジネス

福島からUberEatsのために上京した30代男性

 注文するお客さんと、それを配達する立場では思うことも気になることも違う。筆者自身、月の収入の半分をUberEatsに頼っている。その実感も含め、配達員たちの声を紹介する。

 はじめに取材したのは、渥美孝介さん(仮名・33歳)。なんと福島県から東京へUberEatsをやるために出稼ぎに来たのだという。

「地元では実家暮らしでした。1階は家族経営の飲食店だったため、高校を卒業してからは店で働きながらゆるく暮らしていました。コロナのせいで店の売上は半分以下になりました」

 現在、孝介さんは月に7万円を実家へ送金しているという。

クオリティーを求めるならチップが欲しい

チップ

UberEatsアプリ(ユーザー側)のチップ選択画面

 そんな孝介さんに糸井氏の発言について意見を求めると「実家が飲食店なので飲食物を扱う以上、汚く見えるのはよくないとは思う」とした上で、このように訴える。

「真夏の炎天下をひたすら自転車こいで、雨まで降ってきて、それでもこいで……。そんな状況下で生活している人を想像してみてほしいです。毎日くたくたに疲れて家に帰り、そのあと自転車を磨いてバッグも拭いてなど、やってられません。クオリティー求めるならチップください! と言いたいです」(渥美さん)

 UberEatsにはお客から配達員へチップをわたすシステムがある。チップとは労をねぎらう証だ。しかし、日本ではチップの文化は浸透しておらず、配達員によって貰える頻度や額に大きな差があると感じる。

 例えば知人の女性が配達した場合、多いときは1回の配達で1000円ほどチップを貰うという。頻度も4回配達して1回は確実に貰えるらしく、筆者とはえらい差があると感じた。中年男性である筆者は10回配達して1回貰えれば良いほうだ。

 しかし、配達をしてチップが貰えたときは、とても嬉しかった。チップとはエールであり、人から人へ気持ちを伝える手段だと感じた。

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