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コロナ禍の今、あえて居酒屋をオープンした店主「高円寺を楽しくしたい」

ビジネス

 緊急事態宣言の度重なる延長によって、東京都では深夜営業や酒類を提供する飲食店にさまざまな要請を行っています。一部で堂々と酒類を提供する飲食店もありますが、ほとんどの真面目に要請を守っている飲食店は、経営危機に立たされています。

千代田英司さん

千代田英司さん

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 バンドマンや芸人などが多く暮らし、数多くの飲食店が軒を連ね、“飲み屋激戦区”とも呼ばれる高円寺。そんな町で、飲食店を含む複数の店を経営する株式会社ワイルドボイスの代表取締役 千代田英司さんに「高円寺の飲み文化」と自身の店について話を聞きました。

カラオケ、マンガ喫茶はかなり厳しい

――どんなお店をやってるんですか?

千代田英司(以下、千代田):うちはまず、新高円寺でカラオケ店とマンガ喫茶をやってますね。あとは「じゃぐら」というラーメン店。

――コロナ禍での各店の売り上げはどうですか?

千代田:カラオケはダメですね。休業要請なので、売り上げが下がるというよりも店を開けられないですから、まったくのゼロ。同じくマンガ喫茶もダメですね。以前は、終電を逃した人が使ってくれてたりしたんですけど、飲食店が20時で閉まっちゃうから、もう終電逃さないですもんね。お昼はサラリーマンが休憩やサボりで使ってくれてたんですけど、テレワークが増えたからそれもなくなりましたし。

――ラーメン店はどうですか?

千代田:緊急事態宣言といっても人間はご飯を食べないといけないから、ゼロになるってことはありませんでしたけど、それでも2020年6月にはコロナ前に比べて売り上げが30%落ちました。でも、テイクアウトや冷凍ラーメンを頑張って作ってなんとかやってます。

従業員を守る必要がある

千代田英司さん

――いろんな業態でコロナと戦ってきて気がついたことはありますか?

千代田:何より「信頼」が必要だということです。テイクアウトをやるにも、お店の味がしっかりしていないと売れません。あと必要なのは「貯金」(笑)。でもこれ本当に、雇用調整助成金は、まず自分が立て替えておかないといけないから、本当にお金の蓄えは必要ですよ。。他には、細かいことだけどラーメンは冷凍させるだけでは、家庭で同じ味にならないっていうことですね。

――お店で作ったものを凍らせて売ってるだけではないんですか?

千代田:スープはお店で炊いたものを冷凍させてたんですけど、お客さんが持って帰って家でもう一度湯煎すると味が変わってくる。だから冷凍用は、店で出しているものからさらに調整して作ってますよ。

――それでも大きな危機と言えるコロナ禍、大変であることは間違い無いですよね。

千代田:うちは従業員が各店舗あわせて15人いるから、彼らのことも守っていかないといけません。

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