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丸亀うどん弁当は「賛否両論だった」。執行役員が語る、900万食突破の背景

ビジネス

コロナ禍で挑んだ初の試みに活路

丸亀製麺

 しかし、2020年に突如として襲ったコロナ禍により、飲食業界は営業自粛や時間短縮などの厳しい状況にさらされた。未曾有の危機に、南雲氏は「新たな活路を見出すために、20年間、手をつけてこなかったテイクアウト事業を始める決断に至った」と説明する。

「これまで持ち帰りは天ぷらだけで、うどんのテイクアウトは行ってきませんでした。ただ、ステイホームやテレワークの機運が高まったことにより、テイクアウトに乗り出そうと考えたんです。無論、テイクアウト事業をやるにも『本当に丸亀製麺の味を届けられるのか』『ブランド毀損にならないか』など相当議論を重ねました。デリバリー対応も味の鮮度を保って届けられるエリアに絞るなどの、創意工夫をしながら仕込んでいきました」

 全国の店舗で行うオペレーションの整備や、テイクアウト用の容器確保、プロモーションとして実施するテレビCMなど、さまざまな準備を進めた結果、2020年5月27日からテイクアウトを開始。以後は堅調に推移しており、初年度は100億円規模にまで成長しているという。

「丸亀うどん弁当」は想像以上の反響に

 今年4月には業界の常識を覆す「丸亀うどん弁当」を発売し、4か月で900万食を突破する大ヒット商品となっている。このヒットについて南雲氏は「想像以上の反響に正直驚いている」とし、次のように話す。

丸亀製麺

うどん弁当のなかでも定番の「2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」(390円 税込)

「テイクアウト事業を始めた当初から構想はありました。それを1年かけて形にしたのが『丸亀うどん弁当』だったのですが、これほどヒットするとは思いませんでしたね。社内では賛否両論ありましたし、自信はありましたが正直出してみるまでわかりませんでした。

 ヒットに繋がった理由として、まずは打ち立てのうどん以外にも天ぷらやきんぴらごぼう、玉子焼きなどの具沢山な弁当を、リーズナブルな価格で買えることが挙げられます。

 そして、既存のテイクアウト商品は自宅で食べることを想定していましたが、気軽に持ち運びしやすい『丸亀うどん弁当』を出したことで外出先やオフィスなど、オケージョン問わずに丸亀製麺のおいしさを楽しめるようになったのが大きいと考えています」

 コロナ禍の影響で鈍化していた海外でのビジネス展開も、来年以降の発展を目指して注力していくという。

「海外の店舗であっても、日本と同じく店内製麺で打ち立て・茹でたてのうどんを味わってもらうために、麺を粉から作るのことは変わりません。海外で人気を博しているのは、比較的に値の張る和食のなかでも、本格的な丸亀製麺のうどんや天ぷらをリーズナブルな価格で食べられるから。7月26日にはロンドンに第1号店を出店し、初日から大盛況の幕開けとなりましたが、今後もグローバルでの成長戦略を描きつつ、丸亀製麺の魅力を世界に届けていければと思います」

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