名古屋市長「金メダルかじり事件」、アメリカで「珍事」と報道された顛末
金メダルが「菌メダル」に
この他、2021年8月5日付けで、ロイター通信とヤフーニュースも同事件を報道している。
これらの記事も、主に「コロナ禍のなかの不謹慎な行動」という趣旨。さらにTwitterでトレンドとなった言葉「金メダルが菌メダル」を英語(「the gold medal into a germ medal」)に訳して説明し、河村市長の行動についてのトヨタの声明とその後の河村市長のお詫びの言葉も報じている。
現在までのところ、L.A.の地元テレビ各局では報じられていない。
選手はなぜ金メダルをかじるのか?
金メダルをかじってポーズをとる選手が多いのはなぜなのか?
フロリダ州のNBCテレビの2021年7月31日付け記事では、国際オリンピック歴史家協会会長で歴史家のデヴィッド・ワレチンスキー氏の「(メダルをもらった喜びが表現できるため)ただ単純に選手がフォトグラファーに “メダルをかんで” と(ポーズを)頼まれるから」というユーモアあふれる言葉や、心理学者のフランク・ファーリー氏の「(近年は)勝者を象徴する行動になっている」「(歯形をメダルにつけることによって)メダルは自分のものという実感やこれまでの努力が実った達成感がある」「歯形は指紋と同じように個性的なもの。メダルを獲得した特別感が味わえる」という言葉を紹介しつつ、その謎に迫っている。
純金は偽造された金や他の金属より軟らかいため、その昔、カリフォルニア・ゴールドラッシュの時代(1848-1855年)には、本物の金かどうかを確かめるために、金を事業とする人たちは金を歯でかんでいた。本物の金ではない場合は、歯が折れていたという。
1896年に始まった五輪だが、当初はトロフィーやカップを選手たちに授与しており、メダルの授与が始まったのは1904年。当初、純金でメダルは製造されていたが、1912年のストックホルム夏季五輪を最後に、近年は純金ではメダルを製造していない。