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海外留学って本当に意味がある?8歳で中国に渡った女性起業家に聞く

ビジネス

父親の手術で帰国したら「3.11」に遭遇

清水:次は17歳ですね。ドーンと下がって「3.11」とありますけどこれは何があったんですか?

平原:3.11の大震災が発生する2日前はメキシコに居たんですが、日本にいるお母さんから「3月11日に帰ってきてくれない?」と電話がきて、お父さんが胆管癌の末期で手術があるからということでした。

 すぐに飛行機のチケットを取って日本に向かいました。成田空港からバスに乗って30分後に「一時停車します」と言われて、何が起きたのかわからない状態で、夜中の12時まで高速道路で待機していました。成田空港に戻って、初めて地震があったことを知りました。

 電話も繋がらず、会いたいという一心で、恵比寿の病院までヒッチハイクして行きました。お父さんと目があった瞬間に「本当に無事でよかった」と言われて、「親が居たから留学にも行けたのに今まで何をしていたんだろう」と思い、日本に滞在することを決心しました。

ジョンソン&ジョンソンに入社

清水:ここからはもう上がっていく一途だと思うんですけど、まずは幸福度がマイナスのところからプラスに転じるのが23歳の「J&J」。Johnson&Johnsonですかね。

平原:ずっとやりたかった教育の事業をするために、コンサルティング業界に入って、起業しようと考えていました。しかし、コンサルファームから内定をいただいた矢先に、父の癌が再発し、亡くなってしまいました。

 その3日くらい前、父にどんな娘になって欲しいか聞いたら、「あなたがずっと笑顔で居続ければいいよ」と言われました。そこで、医療の選択肢を増やしたいと思い、その内定を辞退し、J&Jに入社しました。

シゴトズキ

清水:世界を知っていると、海外に比べて日本のやり方ってちょっと違うなという点はありましたか?

平原:ここが日本のいいところだなと感じたのが、例えばカナダや中国、メキシコは結論を持った上で話すのが大前提なんですけど、日本ではプロセスをすごく大事にするなと思いました。結論に至るまで、どんな想いがあって、どんな人が関係していて、どういう意図を持ってこの結論を作ろうとしているのかが。みんな団結してやっているのが日本の働き方なのかなと感じましたね。

WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs

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