性転換した“元女子YouTuber”の半生「母親には手紙でカミングアウトした」
LGBTQ(性的マイノリティの総称のひとつ)への理解はここ数年で広がっており、成立は見送られたものの国会でLGBT法案が議論されるなど、ニュースなどで注目されることも増えています。
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当事者による発信も増えており、YouTube上にも性的マイノリティであることを公表して活動する人が多くいます。そのひとりがYouTubeチャンネル「かなたいむ。」を運営する奏太さん(29歳・@kanata_kimoto)。女性から男性へ性転換をしたトランスジェンダーです。
チャンネル登録者数は20万人以上。親しみやすい内容の動画が人気です。そんな奏太さんに性転換をするまでのこと、YouTubeで心がけていることなどを聞きました。
高校時代は男子に告白をしてカモフラージュしたことも
――まず、性転換を決意した経緯を教えてください。
奏太:最初に自分が他の人と違うかなと思ったのは中学生のときでした。初めて好きになったのが女性だったんです。制服でスカートをはくことにも違和感がありました。そういった「他の人と違うかもしれない」という積み重ねがあって、トランスジェンダーだとはっきり認識したのは高校のときです。
――高校のころの周りの反応は覚えていますか。
奏太:少し変わった子と思われてたようです。女性として過ごしていましたが、ボーイッシュではあったので「もしかして女性が好きなんじゃないの?」という感じで。自覚はあったけど受け入れられてはいなくて、周りと違うことはいけないのではないかという意識がありました。そういった意識からクラスの好きでもない男子に告白したこともあります。本格的にカミングアウトするようになったのは大学に入ってからですね。
大学の友人の一言がカミングアウトのきっかけに
――高校まではトランスジェンダーのことを秘密にしていましたが、大学でカミングアウトするに至る心境の変化があったのでしょうか。
奏太:大学は大阪芸術大学に入りました。今は生活の拠点は東京ですが、性転換するまではずっと大阪にいました。大学でも高校までと同じく、最初は隠して生活していました。でも、隠していることは自分にはとても苦しかったんですね。
僕の場合は友人に恵まれました。友人が「女性と男性、どっちが好きなの?」と、当たり前のように聞いてくれたんです。それで「言ってもいいんだ!」と思ってカミングアウトをすることができました。そのカミングアウトからはじまって、大学では友人や先輩・後輩など広く自分のことを伝えることができました。