家飲み特需のキンミヤ焼酎、大手に負けない「人気の秘密」。おすすめの飲み方3選も
緊急事態宣言で飲食店への酒類提供禁止になり、焼酎甲類市場では業務用の酒類需要が激減。一方で、家飲み需要が急激に伸び、瓶ではなく家庭ゴミとして捨てやすい紙パックが人気急上昇している。
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ニッセイ基礎研究所の2021年4月調査では「二人以上世帯」の外食の「飲酒代」が前年同月を下回る水準で推移しているのに対し、主に「家飲み」用途が見込まれる「酒類」の支出額は前年同月を上回る水準で推移しており、緊急事態宣言が発出中の2020年5月の対前年同月実質増減率は+25.6%を示した、とある。
そんななかお酒の紙パックが家飲み需要で売上を伸ばしているのが、キンミヤ焼酎。三重県四日市に本店があり、創業170年以上の歴史がある株式会社宮﨑本店の伊藤盛男取締役東京支店長に、コロナ禍での売上やおすすめのキンミヤ焼酎の飲み方を聞いた。
キンミヤ焼酎の人気の秘密
キンミヤといえば下町の飲み物としておなじみ。人気の秘密について、伊藤氏は「うちは老舗の飲食店を大事にしています」と回答。
「今までずっと古い付き合いのお店もありますし、どこでもキンミヤが飲めるのは面白くないからです。あとは、自分が好きではないところにはなるべく入れていません。断っただけでもおそらく5000店舗あるのではないかと思います。無茶なことはわかっているのですが、そういうところで支持されているところもあるのかなと(笑)」
首都圏では、ホッピーやハイサワー、コダマや天の海、強炭酸などの割り材が豊富なことも強みだ。
ちなみに雑誌やテレビで「東京3大モツ煮込み」と言われている下町の居酒屋(北千住の「大はし」、森下の「山利喜」、そして月島の「岸田屋」)は3店舗ともキンミヤを使っている。「認知度が高いのは、そういう要素もあるのかなと思います」(伊藤氏)。
西村大臣はよくあんなことを言ったものだ
「下町の酒場を支える名脇役」のキンミヤ焼酎。しかし、コロナ禍の緊急事態宣言で、“悪者扱い”されたお酒や居酒屋への風当たりは強い。西村康稔経済再生担当相は7月8日、要請に応じない飲食店に対して、「酒類販売事業者は取引を停止して欲しい」と発言。
「最初何を言っているのか分かりませんでした。私の知っている酒屋さんはみんな『暴動だ!』と騒いでいましたよ。お得意さんと70~80年続いている取引を、この40日足らずの緊急事態宣言で変えるわけにもいきませんので。西村大臣はよくあんなことを言ったものだと思いました。おそらくお酒関係に携わっている人は、困惑しています」