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増えている「イヤホン難聴」リスク。危ない兆候を医師に聞く

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 コロナ禍のリモートワークや、サブスクでの動画鑑賞……。イヤホンはいまや我々の生活にかかせない。その一方で長時間の使用は、「イヤホン(ヘッドホン)難聴」のリスクを誘発する可能性がある

イヤホン スマホ

画像はイメージです(以下同じ)

 今回は耳の健康を守り、安全にイヤホンを使うヒントを「耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院」老木浩之医師に聞いた。

「イヤホン難聴」の症状

 そもそもイヤホン難聴とはどのような状態を指すのだろうか。

「音響性難聴(音響外傷)といわれる状態です。通常の会話程度の音量で発症することはありません。症状としては、爆発音やロックコンサートなどの大音量の音が耳に入った場合に起こり、音の聞こえが悪くなったり、耳鳴りを発症したりします。大きな音が耳に侵入してきた時、体は瞬間的に鼓膜の動きを制限して内耳を守ります。しかし、防ぎきれないほどの大きな音が入ると、内耳の感覚細胞が障害を受けてしまうのです

 どの程度の音量にリスクがあるのだろうか?

「WHOは、80dBで1週間当たり40時間以上、98dBでは1週間あたり75分以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています。最近はある程度の音量を長期間、習慣的に聴いていると、じわじわと難聴が進む場合があると、問題視されていますね」

 ちなみに80dbは地下鉄の車内のうるささと同レベル。日常的に遭遇する音量だ。長時間使用する機会が増えたことでリスクが高まっているのかもしれない。

長時間着用で起きる可能性が

耳 痛い

 長時間・長期間の使用がひき起こす可能性があるのは、難聴だけではない。とくにイヤホンでは炎症に注意だ。

「イヤホンは当たる部分が耳を刺激するので、外耳炎や外耳湿疹を発症する可能性があります。しばらく装用を控えるだけで治る場合もありますが、症状が激しい場合には耳鼻科での治療が必要です」

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