入社1年目こそ「じっくり読書」するべき理由。ハーバード留学で知った大きな学び
ハーバード留学で知った大きな学び
たとえじっくり読める本に出会ったとしても、読みっぱなしでは意味がありません。たった3行でも構いませんから、必ず感想文を書いてください。これは仕事の復習と同じ考え方です。その本から何を学んだのか。自分の仕事にとってどういう意味があるのか。思い浮かんだ考えをアウトプットして、自分のストックにしてください。
ただし、誤解してはいけません。3時間の読書で得られるものは、3時間なりの価値しかないのです。3時間で読んだ本に膨大な英知が詰まっていて、それを読んだことで一気にパワーアップできると考えないでください。1回の読書に、多くを期待してはいけません。
ハーバード・ビジネス・スクールに留学した当初、僕はとにかく懸命にメモを取っていました。すべてを学ぼうとした当時の僕は、80分の講義で20個の学びを得たと有頂天になっていました。日が経つにつれて、学びは300個、400個と積み上がっていきます。僕の能力では覚えようがないほど、膨大になってしまいました。
それに気づいてからは、80分の講義で最も重要な学びをひとつだけ書くように変えました。それでも、1年もすると200個、300個と蓄積されていくので、大きな学びになったのです。
1冊から1つの学びを得る
読書をするときも考え方は同じです。本に書かれていることすべてを学ぼうとしなくて構いません。
結局のところ、仕事はオン・ザ・ジョブでしか学べないのかもしれません。ペン習字の本を3時間読んでも字はきれいになりませんし、本を読んだだけでクリティカル・シンキングができるようになるわけではありません。
だからといって、本を読むことが意味のないことだと言っているのではありません。本を読むときは、1冊を慌てずじっくりと読み、その中から大きな学びをひとつ得られればいいという程度の軽い気持ちで十分ではないでしょうか。