『スーパーマリオ64』に1億7200万円。米オークションで破格の価値がついた理由
ダウンロード販売の一般化が実店舗に打撃
日本でもNintedo Switchが一時期、品薄で爆発的に売れたが、定価もしくは、定価より値引き状態で販売している量販店の利益は多くて1割程度。ゲームも映像もダウンロード販売が一般的になりつつあるが、ハードだけ店舗で購入されて、ソフトは家でダウンロードされてしまうと、経営が成り立たなくなってしまうのだ。
コロナ禍の巣ごもり需要でゲーム市場が好調というのは、あくまで限定的な側面から見た場合。実店舗の打撃を考慮すると、決して潤っているとは言えない状況である。
音楽ダウンロードが一般的になってしまったことで倒産に追い込まれたCDチェーン「タワーレコード」(アメリカでは倒産した「トイザらス」同様、日本では経営母体が別のため、まだ存続している)や、動画配信の波に乗り切れず倒産したビデオ・DVDレンタルチェーン「ブロックバスター」と同じような道を辿っているようでならない。
アメリカ在住の日本人、こんまりこと近藤麻理恵の著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界的なベストセラーとなり、Netflixで番組が制作され、映画『ハッピー・オールド・イヤー』でも物語のベースになっている。これほど「ミニマリスト」という概念が世界中で普及してきているだけに、物に価値を見出す市場と物をできるだけ持たない市場とで、今後はより2極化されていくのではないだろうか。
<TEXT/映画ライター バフィー吉川>