100円ショップ「セリア」が好調。コロナでも売れた“意外な商品”
好調を維持している2つの理由
同社には「セリアパトロール」と呼ばれる熱心なファンが多数存在している。その「セリアパトロール」がコロナ禍で猛プッシュした商品は、「SNS映えするミニチュアドールのジオラマ等の小道具に使用する“ミニチュア商品”」だったそうだ。
コロナ禍における全般的な傾向をこう語る。
「コロナ関連需要が一巡したことからくる反動減も一部ありますが、新しい生活様式(ニューノーマル)に対応した機能性など、商品の良さを再認識していただいていることから、多くの商品が大きな落ち込みも無く販売実績を上げています」
同社がコロナ禍でも好調を維持している理由は2つあるとも分析している。
「1つ目は新規客の増加です。コロナが広がり始めた時、マスクを求める特需がありました。当社にマスクがあることを知った方の来店、当社の商品で手作りマスクが作れることを知った方の来店など、新規・利用頻度の低い方の来店機会が増えるきっかけになったと思います。
2つ目は需要の変化に対応できていることです。外出の自粛、学校の休校、在宅勤務など生活の変化に伴い、求められる商品も変わります。販売データを活用した、商品発注や在庫管理を行っているため、ニーズに応じた品揃えができていると考えます」
新規出店と商品力の2つの軸
今後も好調を維持するための戦略としては、新規出店と商品力の2つを挙げる。
「まずは新規出店です。当社のシェアが低い関東や中四国など未出店地域を重点開拓することです。次に商品力です。ヲタ活など顧客層の拡大や、定番商品の品質や機能向上、開発力を強化する体制など重点施策を実践することです」
また、「100円均一という分かりやすい価格は、商品1つひとつの価格を確認しなくてよいため、安心感があることが支持いただける根底にあると考えている」というように、“100円均一”ではなくなっている同業他社もある中、“100円均一”を維持していることも好調要因の1つではなかろうか。