TikTokで話題になるには?「フォロワー数」より大切なことがある
若年層から40代や主婦もターゲットに
小島:チーズの伸びをもっとも美しく動画で表現した1名が、日給100万円の夢の仕事「最高チーズ責任者(CCO:チーフ・チーズ・オフィサー)」に採用されるというもので、話題になったのはもちろん、このキャンペーンがきっかけで有名になったTikTokクリエイターもいます。
ローソンは骨なしフライドチキン「Lチキ」がリニューアルした際に、Lチキのオリジナル音源「いつでもLチキ」をTikTokに提供。曲にあわせてダンスをする動画が女子高生を中心に人気を博しました。ユーザーが一方的にプロモーションを受けるのではなく、一緒に楽しむことで、自然とサービスや企業のファンになる流れが生まれています。
――とはいえ、「若い人が使っているSNS」というイメージが強く、マーケティング活用に二の足を踏む企業も少なくありません。
小島:たしかに若者の利用が多いのは事実。しかし、最近は30~40代以降の層や主婦層まで広がっており、グッチやルイヴィトンなどのハイブランドも活用し始めました。Instagramもサービス開始当初は若年層がメインターゲットでしたが、いまでは幅広い世代で使われているので、TikTokも同じ流れが来るのではないでしょうか。
フォロワーが多い=購買意欲に直結しない
――TikTokクリエイターに広告案件を依頼する場合、素人目には「フォロワーが多い人にお願いすれば、幅広くリーチできるのでは?」と思ってしまうのです……。
小島:企業側から「とにかくフォロワーの多い人をキャスティングしてほしい」と言われることもありますが、それは全然、本質的ではなくて。例えば女性向けのコスメやアパレルを男性のフォロワーが多いグラビアアイドルやコスプレイヤーに紹介してもらっても、購買にはつながりにくい。
ターゲットに広くリーチしたり購買意欲を高めるには、「業界」×「商品、サービス」×「TikTokクリエイター」×「動画の内容」の要素が重要。つまり、TikTokクリエイターが普段作っている動画の世界観に商品やサービスの届けたいメッセージを掛け合わせることで、共感し拡散される広告コンテンツを生み出すことができます。
以前、Nateeが制作したベネッセコーポレーションの「進研ゼミ高校講座」の訴求キャンペーンでは、高校生に人気のある修一朗さんを起用し、彼が作る動画の特徴である「日常風景とコミカルなナレーション」をフォーマットに、サービスの特徴や学習アドバイスを発信しました。彼の動画には87,000いいねがつき、結果として大きな認知拡大効果を得ることができました。