コロナ下で7倍の急成長「ロイヤルホスト」デリバリーサービスの勝算とは
商品化のプロセスにこだわり
当初は25品だったメニュー数も今では46品まで増えた。冷凍食品としてのメニューを開発する上でなにが大変かを聞いてみると、リン氏は「商品化のプロセス」を挙げる。
「ロイヤルデリは、シェフの味をそのままご自宅で再現できる商品を目指しています。商品開発担当のシェフが、“レストランで目の前のお客様に提供するメニュー”としてレシピを考案。そのレシピを起点に、ご家庭の食卓に並ぶまでのプロセスを逆算しながら、セントラルキッチンのシェフが商品化していますが、この商品化のプロセスにとても苦労しています」
ショートパスタ、チキンカチャトーラ…苦労した食品
例えば、ショートパスタは、自宅で湯煎してもアルデンテの食感が残るよう、製造時の温度や時間などを考えているという。
「チキンカチャトーラという商品は、自宅で湯煎し食卓に並べた時に、レストランで作りたての料理を目の前にしたときと同じ酸味や香りがたつよう、製造時の温度や時間、調味料の分量などを計算し、製造工程を組み立てて生産しています。また、玉ねぎの水分量などといった素材の状態も、季節などによって異なるため、生産ごとにセントラルキッチンのシェフが必ず味を確認し、商品化しています」
「このプロセスがロイヤルデリの商品化で最も苦労する点であると同時に美味しさのよりどころですが、これができるのは、商品開発も、自社のセントラルキッチンにも、プロのシェフがいるからです」