キングオブコント王者がカレー屋をオープン 「初期費用は3ヶ月で回収できた」ワケ
お笑いと接客は「目の前の人に楽しんでもらう」という点では同じ
――芸人と飲食店経営の2足のわらじとなり、何か変化はありましたか。
槙尾:収入が増えて金銭的面では安定しましたが、一番は気持ちの変化が大きいです。というのも、お笑いと接客は「目の前の人に楽しんでもらう」という点では同じだと気づいて。お店の雰囲気づくり、味、会話などをどうすればもっと喜んでもらえるかを常に考えていて、お客さんが満足そうに帰っていく姿を見るとやっぱりうれしいですね。
――テレビで「カリガリ マキオカリー」の話を知り、足を運ぶお客さんも増えているようですね。
槙尾:ありがたいことに副業芸人としてテレビに呼ばれることが多くなりました。ただ、店がイマイチだったら申し訳ないですし、名前を出している分、”かもめんたる槙尾”としての評価も下がってしまいます。だからみなさんの期待を裏切らないよう、僕もなるべくお店に立つようにしていますし、芸人の仕事と同じように本気で取り組んでいます。
「相方は僕が出勤していない日に食べに来た」
――相方の岩崎う大さんから副業していることについて何か言われることはあるのでしょうか。
槙尾:プライベートで話題に出ることは特にないですね。ただ、僕が出勤していない日に食べに来ていたみたいで(笑)。あと相方のお母さんがレトルトカレーを注文してくれたと話も聞いているので、応援はしてくれているかなと思っています。
――今後、芸人と飲食店経営はどのように両立していく予定ですか。
槙尾:僕は間借りのカレー屋を始めることで収入が安定し、芸人としての発信もできました。だから自分が成功例となり、仲間や後輩に“芸人を諦めずに続けられる道”を提示していきたい。そのために現在、「間借りのカレー屋に興味がある」という芸人をスタッフとして採用しています。彼らが一人前になったら新店舗の店長になれるよう、精いっぱいサポートしていきたいと思っています。
<取材・文/橋本岬 撮影/山川修一>