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口座開設で1000円もらえる“Z世代向けネット銀行”に、プロが抱いた2つの懸念

コラム

スマホが壊れたり、失くしたらどうする?

みんなの銀行

プレスリリースより

 そして、何よりも筆者が引っかかったのはスマホですべてが完結してしまうこと。みんなの銀行の本質に当たるところだ。スマホが壊れた、失くした、水没したらと考えると大変だ。通帳もキャッシュカードもないから、金は引き出せない。スマホにこうしたトラブルが起きた時にどれだけ慌てるだろうかと考えると心配だ。

 みんなの銀行のサイトにもスマホ紛失時には、携帯電話会社に連絡し、スマートフォンの利用を停止し、みんなの銀行喪失届受付センターへの届出、さらに警察への届けも必要とある。スマホを失くし電話が掛けられない時にアタフタするに違いない。

 さらに、頻繁に起こしてしまうだろうと思うのが、スマホの充電忘れでバッテリー不足になってお手上げになることだ。金は下ろせず、デビットカードとしても使えなくなる。そんな自分発の問題だけでない。

 大手の銀行のATMのシステムやスマホのキャッシュレス決済機能も、毎年のようにシステム障害でサービスが中断することが起きている。その間は金が使えなくなる。さらに、デジタル消失や犯罪など何らかが起きた時に自分が口座を持っていることや残高を証明するのはローテクなものが最強だ。印字された通帳の残高以上のものはない。こうしたことが心配で、自分は複数の決済手段、支払い手段を持っておくことにしているのだ。だから、安心なのだ。

「みんなの銀行」は正直いって便利すぎる。寝ぼけたり酔っ払っている時間帯に、桁数を間違った決済や送金をしてしまうことがあるかもしれない。自分の資産情報などをスマホで確認することが果たして必要なのか。

面倒な工程で考え直す、確かめる

 考えが古いかもしれないが、金に関しては少々面倒なほうがいいと思ってるくらいだ。銀行のATMにいって金を引き出す、財布からクレジットカードを出し、数万円の商品の購入なら暗証番号を入れて初めて決済ができる。

 パソコンの前に座り、相手の支店名や口座番号を打ち込み画面上で何回も確認して送金ができる。PayPayやdポイントなどのキャッシュレスサービスでも、毎回アプリを立ち上げ、QRコードを読み取り、店の人と確認しながら支払っていく。こうしたちょっと面倒な作業の工程で考え直す、確かめる、失くした時には防御もできるのだ。

 だから、筆者はしばらく「みんなの銀行」に口座は作らないことにした。ただ、最後に皆さんにどうしても言っておきたい楽しいことがある。それは、ちょっとした「みんなの銀行」のこだわりだ。

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