「こんな会社には入りたくない!」就活生がドン引きしたイタい社員の言動
無理やり横文字を使うお偉いさん
さらに就活生がイタいと感じたのは社長だけではありません。某大手自動車メーカーの採用説明会に参加した山本玲さん(仮名・21歳)はこう語ります。
「広い会場に300人ほどの学生が集められ、新車の開発主査を務めるプログラム・ダイレクターの方からの技術講演が始まりました。お話自体は非常に興味深かったのですが、『新製品を開発するにあたってはヘジテイトして、しり込みしてしまう』というように無理やり横文字を使っているのが目立ち、ちょっとイタいなと思ってしまいました」
ヘジテイトとは躊躇するという意味ですが、確かにこのような横文字も多用されるとうんざりしてしまいますよね。
社員の講演でこの会社にはあまり行きたくないなと思ってしまった山本さん。その後、さらに山本さんを驚かせる出来事が起こります。
「講演が終わった後、社員の方が会社の良いところを1人ずつ言っていく時間があったんです。2人の社員の方が進行役だったんですけど、コントのようなものをしながら進行していくのがとにかく寒い。
別の社員の方も『ウチの会社はとにかくノリが良くって~』となんだかチャラそう。おそらく元気さをアピールしているのだと思いますが、さすがにちょっと冷めてしまいましたね」
社員のほうは場を盛り上げようと必死だったのでしょうが、確かに外部からは少々白けた目で見られてしまうのかもしれませんね。
ブラック要素を誇らしげに語る社員
さらに社員のイタさが目立ったこんな事例も……。メーカーに興味があった上野里香さん(仮名・21歳)は、首都圏を中心に住宅事業を行う某新興不動産メーカーの企業説明選考会に参加したときの話を教えてくれました。
「今年の1月に誰もが知っている大手企業の説明会に参加しました。説明会が始まると30代の人事の方が出てきて、会社についての説明をしてくれました。最初のうちはちゃんとした事業説明だったのですが、話を聞いていると、だんだん会社の自慢話になってきました。
ついには『うちの会社は、業界で唯一正社員がビラやティッシュ配りを欠かさずやっているんですよ!』と言ったのです。そんな学生が絶対に行きたくなくなるようなことをわざわざ誇らしげに語りだして……」
その話を聞いただけですぐに帰りたくなった上野さん。しかし、その後も上野さんは信じられない話を聞いてさらに戸惑うことになります。
「会社説明が終わると、次に社員のインタビュー動画を見させられました。そこに映っていた社員さんは、『この会社に入ってよかったです!』『業界1位をみんなで目指すんです!』と誰もが自分の会社がいかに良いかをアツく語っていて、ちょっと自分には合わないと思ってしまいました」
自分の会社の良いところアピール自体はいいのですが、あまりにもアツいアピールばかりだと、ここはブラック企業なのではないかと不安に感じてしまう就活生もいるかもしれません。
選ばなければどこでも入れる超売り手市場だと言われていますが、その分入社後のミスマッチも多い時代。だからこそ就活生は今のうちに色々な説明会やインターンシップに参加して、ぜひ自分に合った企業選びをしてみてくださいね。またこれを機に社会人も就活生目線を意識して行動を見直してみてはいかがでしょうか?
<取材・文/時弘好香 イラスト/市橋俊介>