コロナで「民泊」は壊滅。それでも勝ち筋を狙う人の逆転発想
自主隔離施設の利益は…
そして気になるのは、民泊オーナー側に入る利益だ。
「自主隔離サービスの利用料金は、2週間利用で約10万円。運営会社にサービス料金を引かれ、8割程度が民泊オーナーの収入になります。この3棟の場合、コロナ前は1室あたり15万円の粗利が上がり、月に300万円以上の利益が残りました。自主隔離スペースに転用した現在は、1室あたり3万円程度の利益にとどまっています」(大神氏)
大神氏は所有物件が多いため大きな黒字とは言えないが、別用途への転用を模索しながら物件の現状を維持しているという。
「海外旅行に行けない反動で、国内でもリゾート地の高級ホテルが満室だという話も聞きます。世界中の人の“旅行熱”は確実に高まっているので、コロナが終わり、再び世界中を行き来できるようになれば、すべての施設を民泊施設に戻しフル稼働させるつもりです」
ワクチン接種が進み、コロナの夜明けも遠くない日本。インバウンド復活に懸ける民泊関係者はそれぞれの戦略で生き残っていた。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
【鈴木教平】
不動産起業家。不動産を活用して「楽しみながら稼ぐ」をテーマに、不動産投資のほか民泊(箱根・福岡)、レンタルスペース(池袋、東新宿)などを運用している
【大神麗子】
不動産投資家。「買わない不動産投資」をテーマにメディアやセミナーで活躍。近著に『買わない不動産投資 ドル箱 レンタルスペース』(みらいパブリッシング刊)