コロナで「民泊」は壊滅。それでも勝ち筋を狙う人の逆転発想
民泊からレンタルスペースへ!大幅リフォームの延命処置
複数の民泊本を出版するなど、“民泊界の女王”と称された不動産投資家の大神麗子氏も「コロナで最悪のときは、最盛期の売り上げから9割もダウンしました」とパンデミックによる痛手を負った一人だ。生き残るために、大胆な戦略を実行している。
「民泊物件の半数はレンタルスペースに転用して今は稼いでいます。リモートワークやWeb会議需要に対応した貸し会議室をつくったほか、輸入壁紙を取り寄せて『宇宙』をコンセプトにしたパーティスペースを開業したところ、コスプレイヤーから『撮影会に使いたい』と好評。
正直言えば民泊ほどは儲かりませんが、清掃頻度は週1日程度と管理が楽なので、忙しいサラリーマンでも取り組める副業と言えます」
自主隔離施設に転用しコロナ収束まで凌ぐ
大神氏によれば、こうしたレンタルスペースが半分、残り半分の民泊物件を“コロナ需要”に貸し出しているという。それは自主隔離業者だ。
「一時帰国の際に必要な2週間の自主隔離を行えるマンスリーマンションやホテル、民泊を手配するサービスが増えています。私は自分からサービス会社に『民泊施設を貸せます!』と連絡しました。ただ登録条件は厳しく、感染対策として部屋1室を単室で貸すのはできません。“一棟貸し”が基本。私は3棟22室を運営業者に一括で転貸しています」
自主隔離サービスの運営会社のホームページには、利用企業一覧に商社を筆頭に大手企業の名前が並ぶ。「帰国した従業員を指定施設に宿泊させれば、管理もしやすいし、安全でもあるので一定数の需要があります」と大神氏は語る。