bizSPA!

死んだはずの奥さんが店に…真夏の不動産恐怖体験/#全宅ツイ

コラム

 その後、テナント再募集に備えて店舗の状況を確認すべく、久しぶりに現地に向かったところ驚愕の光景に遭遇したといいます。

「お店を見て、驚きました。そこにはガンで亡くなったはずのお母さんがツヤツヤしながら店頭で接客しているではありませんか。ご夫婦とは何年も顔を会わせてなかったので、私が大家さんだと気付かれることなく、そのまま山盛りのランチセットを食べて帰ってきました」

あの日見た妻の名を僕はまだ知らない

 どエンド君さんによると、家族経営の飲食店では、閉店=生計の場を失うことになるため、滞納しても簡単には退去してくれないケースが多いといいます。

「あえて滞納を3か月分溜めてから、強制執行をかけるべきか悩んでいたのですが、その月末に仕入れの掛代金や滞納家賃を残したまま、夫婦は忽然と姿を消しました。

 後日、鍵だけがポストに返ってきました。やはり、あの日私が見たのは幽霊だったのでしょうか。いやぁ賃借人って怖いですね」

 はたして、あの日どエンド君さんが遭遇した女将さんは、一人遺された主人を想う奥さんの霊魂が実体を得た姿だったのでしょうか。確認する術を失った現在、真相は闇の中となっています。

case2:資料に記載されていない幻の部屋

ろうそく 葬式

 どエンド君さんは、「別の物件でも怪奇現象を体験した」と言います。

「あれは、都内某所の4階建て鉄骨ビルを買おうとしていたときのことでした。そのビルは築40年と古くボロボロだけど、収支よし、立地よしで、なかなかの出物だったのです。念のため、事故物件公示サイトの『大島てる』でも検索しましたが、炎アイコンもなし(事故物件ではない)」

 すぐに購入の意思を固め、信用金庫に融資を打診したところ担当者も「ぜひ進めましょう!」と食い気味の好反応を示します。

「ただ、一棟ビルを現地を見ずにストビュー(Googleストリートビュー)だけで買うのは危険なので、契約前に一人で現地に忍び込むことにしました。オートロックもない古いビルなので重たい鉄扉をあけて、ひんやりした薄暗い共用階段を上ります」

 暗いビル内を3階、そして4階へと進むと、ある“違和感”に襲われます。

息を殺してそのまま足を進めた先には……

「私が立っているのは最上階である4階のはずなのに、そこからさらに上階へ続く階段があるのです。その先は壁の色も微妙に違っていました。『変だなー、おかしいなー』と思いましたが、まるで異世界に迷い込むかのように、息を殺してそのまま足を進めました」

 階段を上りきった先には、本来この世に存在しないはずの部屋がありました。どエンド君さんは扉の前から物件情報を提供してくれたブローカーに電話します。

「なんか5階があるんだけど、ほんとにこのビルでいいの?」

 数分後かかってきた折返しの電話で、ブローカーは衝撃の事実を告げます。

おすすめ記事