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29歳早大卒女優・行平あい佳が語る、難役の重圧「半身不随の夫を支えて…」

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25歳、母の言葉に奮起

アララト

――そしてフリーランスの助監督に。

行平:どうにかして映像業界に居たくて、俳優として勉強になることを続けようと助監督をしていたのですが、25歳を過ぎたくらいで体を壊してしまって、強制的に休むことになりました。そのときに、母からあることを言われまして。

――お母さまは、にっかつロマンポルノでも活躍された寺島まゆみさんですね。

行平:母には「女優になりたい」と、ずっと前から話していたんです。それで、休んで家にいた時期に「あなたは、このままずっと助監督を続けて監督にでもなるの? 本当にやりたいことは何なのか、自分でもう一度考えたら?」と言われました。

 俳優へのステップのために助監督になったはずなのに、ひとつの案件が済んだら次の案件に行って、忙しいサイクルのなかで、本来やりたかったことを忘れてしまっていたんです。そこで、「やっぱり私は俳優になる!」と宣言して、今の事務所への縁に繋げていったんです。

――お母さまからの発破は大きかったですね。

行平:相当大きかったです。もうすぐ26歳になるというタイミングでした。

「夢はまだまだ。これからも叶えていくぜ!」

アララト

――『私の奴隷になりなさい 第2章』(’18)で映画初主演を務めた際に、「夢が叶った」とコメントされていました。

行平:確かに女優として映画デビューするという夢は叶えたかもしれませんけど、今はそんなことよく言ったなと思います(苦笑)。最近は「夢はまだまだ。これからも叶えていくぜ!」と少年漫画みたいなことを口走った気がするんですけど(笑)、今は「叶えた」というより、「叶えていくぜ!」という感じです。

――何か見据えているものはありますか?

行平:どの役にも個性がありますし、映画やドラマといった区別なく、色んな役を演じてどんどん積み重ねていきたいです。ちゃんとその場にいて、悪目立ちもせず、「その人には今までも人生があっただろうし、これからもその人生が続いていくんだろうね」と思ってもらえる人物を演じられる俳優になりたいです。そこに到達するにはまだまだですが、高い理想を掲げたいですね。

――叶えてやるぜ! と。

行平:それこそ少年漫画のように友情、努力、勝利! と(笑)。あと仲間かな。熱い仲間たちと出会っていけたらと思います。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異
Twitter:@mochi_fumi

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