もっと他に予算の使い道がありそう…

「会社単位でも部署単位でも、ビジネスマナーや必要な心構えってさまざまなので、全員を会議室に集めて同じ内容の研修を受けさせるのはやっぱり変ですよね。そもそもマナー講師に払うお金は会社が負担しています。

　画一的に『新入社員とは』という研修を受けさせるためのお金と時間があるなら、それぞれにとって必要なスキルアップや勉強のために使わせたほうが個人にとっても会社にとっても絶対に良い。私たちの成長のために会社がお金を出してくれるのはありがたい限りですが、マナー講師を呼ぶお金を何か他の有意義なことに使ってほしかったです」

　会社としては「弊社は社員教育として新入社員研修を行っている、しっかりした会社です」とする既成事実を作るために研修を行っている側面もあるかもしれません。しかし、講師を派遣するサイトを見てみたところ、社員研修に派遣した際の相場は1時間につき4万円。軽く見積もっても、佐々木さんの受けた研修に来たマナー講師に会社は5時間で20万円ものお金を払ったと推定されます。

「そもそも仕事もビジネスマナーもマナー講師に教えられても身につかないですよね。実際に働いて失敗や経験を通して学んで身につくものだと思います」と佐々木さんは話します。

「こんな研修いらないでしょ！」と新入社員に呆れられないように、会社側は慣習化された意味のない新入社員研修の内容を改めて見直してほしいところです。

＜取材・文／bizSPA！取材班＞