元芸人が投資で資産8億円に。サラリーマンが億をめざす“最適解”とは
守りに入ると守れない
井村:実は、1億円の大台を達成した数年前に守りに入ったことがあったんですよね。安定を意識して社債や高配当株を買ったのですが、結局大損してしまって。「守りに入ると守れない」、ファイティングポーズは崩すべきではないと学びました。
馬渕:私は、損切りがめちゃくちゃ下手。損切りって自分の判断が間違っていたということじゃないですか。そういう人は、他人任せの投資方法でいいと思う。
今はNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)のように国の支援制度を駆使し、さらに高配当のファンドなどに切り替えてしまうという手もあると思います。
井村:僕も、多くの人にとってはインデックスに粛々と積み立てるのが最適解だと思います。個別株投資、とりわけ損切りのストレスはハンパじゃない。自己否定のみならずお金も減るわけですから。でも、成功するにはこれを乗り越えるしかない。ドラゴンボールのサイヤ人の感じです。闘って傷ついて、そして強くなる。
馬渕:投資家はPCの前で簡単に稼いでいるイメージがあるけど、やっぱり努力はしていますからね。失敗もある。でもその先には成功がありますから。
投資と楽しく向き合うためには
井村:長期戦も覚悟して、家計のキャッシュフローを見直すことも大事です。例えば、家計の出費を10〜20%程度カットして、浮いた分を投資に充てる。もともとないお金と考えればチャレンジもしやすくなります。
馬渕:家計の支出を減らすのは大前提ですよね。ただし、ツラい思いをしてまで削るのではなく、あくまでも自分ができる範囲で。
井村:QOL(生活の質、または生命の質)を損なわないよう実践するのがポイントでしょうか。投資の厳しい面もお伝えしましたが、経済的な成功を手にする方法として、投資は極めて魅力的です。
世の中には努力してもなんともならないことが多いですが、投資は違います。少額からでも始めてみると投資の楽しさも感じていただけると思います。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
【井村俊哉】
投資家・中小企業診断士。元芸人投資家にして、ZeppyCEO。YouTubeチャンネル「Zeppy投資ちゃんねる」などで投資情報を日々配信している。
twitter:@imuvill
【馬渕磨理子】
経済アナリスト。京都大学公共政策大学院卒。法人の資産運用や管理を行い、そこで学んだ財務および経営分析を生かし個別銘柄の分析を行っている。
twitter:@marikomabuchi