日本人の作品が1300万円で落札。仮想通貨とも違う新技術「NFT」の凄い中身
やがては取引に規制がかかる可能性も
「ブロックチェーン技術を応用し、個人情報の対価をユーザーに還元する、新しい検索ブラウザ『Brave』が出現しています。NFTのアイデアを突き詰めていけば、例えば日々、私たちがグーグルに提供している写真データや文章、位置情報など、これまでタダで使われてきた個人情報の価値を守り、各自がお金に換えて行ける未来が来る可能性があります」(同)
社会に莫大な利益を生み出す可能性のあるNFTだが、もちろん課題もある。最近では、取引規制に関する議論も始まった。
「昔から絵画など価値のある資産はマネーロンダリングに使われてきました。NFTにも同じリスクがないとは言い切れず、法の抜け穴になるような販売や転売を禁止したり、認可を受けた取引所を通じてのみ取引できるように規制されていくかもしれません」(楠氏)
NFTの本質は、デジタルデータをリアルな物体のように扱えること。我々の未来をどのように変えていくだろうか。
NFTの活用が期待できる分野
【ゲームアイテム】
ゲーム業界では、ユーザーが育てたキャラクターやレアなアイテムを同一ゲーム外で販売・交換・流通できるNFTの仕組みに期待を寄せる。日本のゲーム業界は海外勢に押され気味だが、人気タイトル(知的財産)を再活用することで「復活ののろしを上げることができる」(業界関係者)と指摘
【権利書・証明書】
ブロックチェーン技術を使用し、個人を証明する書類や情報を改ざんできなくすることで、身分の保護や公共・民間サービスを受けられるようにするというコンセプトはすでに多く登場している。NFTを使えば、ゴルフ会員権や土地権利書などのデジタルデータの保護に利用できるとされている
【アート作品】
デジタル作品はリアルな作品に比べて価値が低いとされてきたが、NFTの登場で状況が一変。日本では現代美術家・村上隆氏がNFT作品を出品して話題に。さらにLINEやコインチェック、GMOなどが、希少性を認められたNFTアート作品を流通させるプラットフォームを展開する予定
【ポルノ】
アダルト業界や世界のセックスワーカーも強い関心を示している。既存のプラットフォームでは、アダルトコンテンツは検閲対象になりやすいが、NFT取引プラットフォーム上では、世界中での流通が可能になり、高額取引される可能性もある。タダでアダルト動画を見る時代は終わるかもしれない