福田麻由子、心が窮屈だった10代を経て感じた「この仕事の神髄」
普段おしゃれするほど、気づかれない
――本当にしっかりしていますが、普段もですか?
福田:全然です。社会的には器用でないと言いましたが、たとえば家で壁に掛けてあるキッチンロールを取ろうとしても、いつも上手く切れなくて、ダ~っと床まで流れてしまったり(苦笑)。電車もしょっちゅう乗り間違えます。
――普段、電車に乗るんですね。話しかけられたりは?
福田:私、結構地味な役とか、昭和の役とかが多かったりするので、おしゃれをすればするほど、気づかれないんです。ちょっとそこまでとボサボサの髪のままコンビニに行ったら気づかれて、「今日はおしゃれして表参道だ!」みたいな日は、気づかれません。それってちょっとどうなの!?と思いますけど(苦笑)。
――それは失礼ですが、ちょっと面白いです(笑)。最後に、読者にメッセージをお願いします。
福田:みなさんと同年代のチームで作った映画です。公開も全く決まってないまま、気持ちだけで3年前に撮った作品が、こうやって全国で順次公開されるというのは、私自身もすごく勇気をもらっていますし、みなさんにも何か希望に感じてもらえたら嬉しいです。
今、コロナというきっかけもあって、いい大学に入って、いい会社に入ってみたいな、これまで良しとされてきたことが、果たして本当にいいことなんだろうかと、一人ひとりが考えている空気を感じます。自分が本当に大切にしたものは何なのか。みんなが見つけようとしている。私が演じたさくらも、そうしてもがいています。今の時代を生きる同世代の方に、届いたらいいなと思っています。
<取材・文・撮影/望月ふみ>