システム障害のみずほ銀行、年収は高いが気がかりな体質も
みずほ銀行「ホワイト/ブラック度」判定
みずほ銀行:★★☆☆☆
大きなシステム障害を20年間の間に3度発生させた企業です。以前、システム障害関連として東京証券取引所(JPX)の終日売買停止(2020年10月1日)の件を本連載で取り上げたことがありますが、こちらの初動の素早さ、第三者委員会の提出資料の緻密さは前向きに評価すべきものでした。
しかし、みずほ銀行・みずほFGにおいては過去に大規模なシステム障害を起こしていても、その教訓が活かされず、
・報告内容が曖昧(文中にも記した通り、時系列をうめるために自社発表の情報では不十分でした)
・第三者委員会の設置が遅く、初回障害から1ヶ月ほど経過している(JPXは初回の発覚から5日以内に設置)
という状態でした。
なお、過去の決算報告書等を確認しましたが、MINORIの開発進捗に関する記述は特にみられませんでした。MINORIについてもっとも多く取り上げているのが外部メディアである「日経XTECH」であるというのは少々皮肉でしょう。JPXが「arrowhead」の開発進捗の説明に一定程度の紙幅を割き、企業公式サイトでも説明を設けていたこととは対照的です。
労働条件は良いが気がかりな点も
さらに、「提携ローンにより、暴力団員ら反社会的勢力に対して融資を行っていた問題」について、金融庁の検査まで特に自社で対応せず、金融庁からの検査についても事実と異なる報告をしていたことも、隠蔽・事なかれ主義が蔓延していることの表れであると言えるでしょう。
また、グループ会社のみずほ証券は以前、東証の記事でも触れた「ジェイコム株誤発注事件」の当事者でもあり、この件でも金融庁から業務改善命令が出ていました。
働くうえでは条件等は良いのかもしれませんが、各種の事件において初動が遅く、プレスリリースでの情報公開も不十分であり、解決に向けて動き、真摯に情報公開する動きが作れていない点が最も気になりました。
筆者は、企業においては特にミスや事件を起こすことが悪いのではなく、起こした事件について「解決・改善する」ことが企業の発展において重要であると考えます。したがって、今回は最終的な評価を★2としました。
<TEXT/アラートさん(@blackc_alert)>