柳楽優弥が、30歳の今思うこと「恥ずかしいことも見つめ直した」
現場には剣を持っていけ
――KENTARO監督が柳楽さんは「ソルジャー」だと言っているとか。
柳楽:監督はほんとに面白い方で、僕のことをソルジャーとか、アニマルとか言うんですよ。フランスのパリ大学を出ていて知識も豊富なので、「こういう映画の感じなんだよ」とかいろいろ教えてくれるんです。この作品が終わって、違う現場に行ってからも監督に色々相談しています。
――そうなんですか?
柳楽:ちょっと不安があるときに相談したりすると「恐怖心があるのは当たり前のことなんだよ。現場には剣を持っていけ。その剣がズタボロになっても、血だらけになっても、現場には立ち向かわなきゃいけないんだよ!」みたいなことを言うんです(笑)。
モンゴル人はすぐ相撲を取り始める?
――セリフが少なく、アップの多い作品です。冒頭からタケシの祖父役の、麿赤兒さんのドアップですし。
柳楽:そうなんですよ。監督が「最初から麿さんの顔なんだよ。お客さん、ビックリするだろ」って。面白過ぎる。
――モンゴルの方々のアップも多かったですが、顔に人生が表れていました。どんな方々でしたか?
柳楽:みんな体が大きくて、すぐに相撲を取り始めるんです。ずっとウォッカを飲んでるし、あと女性が強い。共演したツェツゲ・ビャンバさんは海外でも賞を取られている有名な女優さんですが、本当に強くてかっこいい女性でした。
僕が、飲食店でモンゴルの怖そうな人たちに絡まれたときに、ツェツゲさんが一喝してくれて。そしたら、「すみません」と言ってスゴスゴといなくなりました。