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僕が派遣社員から34歳で「巨大グループ企業の役員」に上り詰められた秘訣

学び

 コロナ禍で働き方や人事評価も変わりつつある。今の仕事で評価を得て、ステップアップするためにはどうすれば良いのか。短大卒、コネなし、資格なしで、24歳からグループ3万人の社員を誇る大塚製薬に派遣社員として入り、10年でグループ会社の役員に駆け上がった二宮英樹氏に「成功するビジネスパーソンになるためにやるべきこと」を聞いた。

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画像はイメージです(以下同じ)

※本記事は『派遣で入った僕が、34歳で巨大グループ企業の役員になった小さな成功法則』(ダイヤモンド社)から再編集し、抜粋しました。

1日100件を超える問合わせが

 私は四国の高校を卒業後、音楽がやりたくて渡米しました。語学学校から2年制の短大を卒業しましたが、9.11の同時多発テロで帰国。日本に帰ってみると、「学歴ナシ・資格ナシ」の遅れてきた新卒就活者となっていた私は、派遣社員として大塚製薬に入社、ITヘルプデスクの仕事に就きました。

 ITヘルプデスクは、当時5000人以上いた大塚製薬社員全てのPCトラブルや、システム関連の問い合わせ窓口業務を私を含めて4人で担当していました。トラブルはたいてい予期せず起こり、迅速な解決を皆が求めます。当時、私は一人で1日100件を超える問合わせの対応をしていました。

 アメリカで独学で身に着けたITの知識と、ブロークンイングリッシュだけが頼りの私は、目の前の仕事をとにかく一生懸命こなしました。特に心がけたのは「どんな悪条件や難しい内容の依頼でも『わかりました』と言ってさっとやる」、「引き受けたからには必ず相手の満足がいく結果を出す」この2点です。

積み重ねが信頼を作っていく

パソコン 教える

 PCが使えないと仕事ができないので、トラブルを抱えている社員は皆一様にイライラしています。メールが送れない、ファイルが消えた、次から次へと押し寄せる問合せの中には、すぐに解決できない難題もありましたが、嫌な顔を見せず、引き受けるようにしました

 そしてあらゆる手をつかって解決法を見つけ出しました。そうした積み重ねが「二宮ならなんとかしてくれる!」「ITといえば二宮くん」という社内での評判につながっていきました。また、そんな私の様子は周りの人に、苦を苦と感じず、楽しそうに仕事している人に見えていたようです。

 仕事に対して前向きに取り組む私のところには、次第にITヘルプデスクの範疇を超える案件が持ち込まれるように。相手の期待に沿うものを提供し、期待を超えた対応ができると、相手から少しずつ信頼をしてもらえます。その積み重ねで、人はまた仕事を頼んでくれ、引き続きサービスを利用してくれます。仕事が信頼を作り、さらに新しい仕事につながるのです。

 世の中で成功している人たちを見ても、皆生まれや育った環境など十人十色。スタートラインがどこなのかは多少のアドバンテージはあるものの、その後の成功にどれくらい影響するかというと全く関係ないというのが私自身の経験からの考えです。

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