コロナで激減した「残業代」が、経済に与える大ダメージ
協力金で飲食はよみがえるのか
株式会社東京商工リサーチがまとめた「新型コロナウイルス関連破たん」(負債1000万円以上)によると、2020年の飲食業の破たん件数は、141件で業種別で最多だ。この傾向は増加の一途を辿り、2021年2月24日時点で、181件にまで増えている。
そんななか、緊急事態宣言の対象となる都府県の多くでは、営業時間短縮に協力すると、1店舗につき1日最大6万円の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」が支給されることになっている。しかし、森氏は、飲食業への補償を評価しつつも、引き続き厳しい状況が続くと見る。
「今回飲食店向けに協力金が支払われることで、短期的な補助にはなるかもしれません。しかし、ワクチンが広がったとしても、いきなりこれまでと同様に飲食店に足が向くかというと、企業の会食需要などを中心にそうではない人が多いかと思います」
2021年はアフターコロナを迎え、明るさを取り戻していきたいが、こと経済面に関しては「最悪の状況」を想定しておかなければならないのかもしれない。
<取材・文/菅谷圭祐>
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