南国出身の結婚相手が雪国に嫁いできた。「雪かきなんてイヤ」とボヤいていたものの…
国土交通省の『豪雪地帯対策における施策の実施状況等』によると、日本の豪雪地帯の割合は国土の51%となんと半分以上。それでも人口の多い本州の太平洋側をはじめ、四国や九州の平野部では積もるほどの雪が降ることは滅多になく、東京でも年に1~2回あるかないかといった程度。住んでいた場所によっては一面の銀世界を見たことがない人も多いはずです。
不慣れな除雪作業に妻は四苦八苦
峯村和義さん(仮名・29歳)が暮らすのは北海道でも特に積雪量が多い道北地方。道内出身の彼にとっては愛着のある故郷ですが、奥さんは九州の出身。大学時代や卒業後も結婚するまでは大阪に住んでおり、雪国で生活した経験は当然まったくなかったそうです。
「私は大学が東京だったんですけど、就職した会社の赴任先が大阪でそこで知り合ったんです。その後、私は故郷に戻って地元企業に転職。彼女とは遠距離恋愛を続けて3年前に籍を入れ、今は2人で社宅の一軒家に住んでいます」
ただし、2021年は道産子の彼ですら「こんな雪の多い年は数えるほどしか経験したことがない」と思わず漏らすほど。暖冬だった昨シーズンは自宅の除雪作業を頻繁に行わなくても済んだそうですが、今年はほぼ毎日、出勤前の早朝と帰宅後の夜の1日2回、共働きの奥さんと交代しながら雪かきを行っているといいます。
「もう雪かきなんてイヤ」が口ぐせに
「そうしないと車が雪に埋もれちゃうし、家から目の前の道路までの間もちゃんと除雪して道を作っておかないと大変なので。私は子供のころから手伝いでやっていたことだから面倒でもそこまで苦だとは思っていません。
けど、彼女にとってはこっちに住み始めてから経験したことで、最初のころは『もう雪かきなんてイヤ。冬なんて来なきゃいいのに……』って口グセのようにボヤいてました」
ちなみに社宅があるのは旭川市内の職場から車で30分ほどの隣町。のどかと言えば聞こえはいいですが、何もない完全な田舎町とか。
「彼女は独身時代から毎日ジョギングをしていましたが、さすがに北海道に来てからは冬場に走るのはやめています。雪道にあまり慣れていないせいか足を滑らすことも多く、転んでお尻に大きなアザを作っていたこともありました」