米Google社員も飲んでる「お~いお茶」、ギネス認定までの舞台裏
俳句大賞や社内制度で普及啓発
そのほか、「ティーテイスター」と呼ばれるお茶に関する知識や教養、技術などを持った社員が、全国各地でお茶の魅力を伝える啓蒙活動も行っているという。
知識や技能に応じて3級、2級、1級と階級分けされている「ティーテイスター制度」は、年に1回社員が受験することで資格取得ができるもの。社員が必須で取る資格ではないものの、有資格者は伊藤園の全社員の4割を超えるそうだ。
また、2017年には厚生労働省から社内検定として認定されている。
「美味しいお茶の入れ方や歴史、知識などを伝えるためのセミナーを開催したり、ティーテイスターが観光地や店頭でお茶のいれ方を実演したりと、お茶を通じてコミュニケーションできるイベントをコロナになる以前は、年間で1,000回以上実施してきました。コロナ禍ではオンラインで実施し、お客様との接点を作ることでお茶の魅力を伝えられるように心がけています」
美味しいお茶の追求もさることながら、「伊藤園 お~いお茶新俳句大賞」の主催やティーテイスターによる啓蒙活動といった取り組みも「お~いお茶」の屋台骨となっているのではないだろうか。
「コロナ禍」に対応した新商品を展開
最後に今後の展望について安田氏に聞くと「主力である『お~いお茶』を中心に販売を伸ばしつつ、機能性表示食品といった新商品も市場に出していきたい」と意気込む。
「コロナ禍の外出自粛やマスク着用など、生活スタイルが激変したことで『認知機能の低下に影響している』と考える方が多くいるという調査結果もあるなか、多くの人が対処の方法がわからないという。
そこで機能性表示食品『お~いお茶 お抹茶』を2020年12月に発売しました。お茶に含まれるテアニンや茶カテキンには、“認知機能(注意力・判断力)の精度を高める”機能があると報告されており、認知機能が気になる方向けに訴求した商品を出すことで、お客様の健康に貢献できればと考えています。
今後もお茶の魅力を発信していきながら、多様なニーズに応えられるような商品ラインナップを展開していく予定です」
ギネス世界記録に2年連続して認定されるなど、名実ともに世界No.1の緑茶飲料である「お~いお茶」。世界のティーカンパニーを掲げる伊藤園のさらなる活躍に期待したい。
<取材・文・撮影/古田島大介>