NHKディレクターが明かす親の介護の現実「怖すぎる…」と話題に
息子介護の解決3)尊重することで心を穏やかにする
アルツハイマー型認知症として診断された母を持つ60代の男性は、8年前から同居をしながら介護をしています。
この男性は「認知症の人と戦っちゃだめ、遊ばないと」と話します。母親とは認知症の症状のせいで、会話が噛み合わないことも少なくないようですが、この男性は、気にすることなく「積極的に話しかけて会話を楽しむことにしている」と言います。
母親との会話を楽しみ、尊重することによって、母親も穏やかになって、日々の介護も楽になるそうです。この男性は「母が存在することの幸せを感じること(の大切さ)を思っている」とインタビューに答えていました。
男性が介護の当事者として向き合っていくには
酒井穣さんは息子介護の当事者に向けて「3つの介護の心構え」を示しました。
・親への理解を深め、介護保険制度についての知識を深めること
・自分一人で抱え込まず、司令塔の役割を担うこと
・介護を通じて、己の人生を見直すチャンスにすること
これからも息子介護を余儀なくされる家族は増えると予測されています。多くの人にとって他人事ではなく、ネットにもさまざまな意見が寄せられていました。
「ぜひ、共倒れになる前にデイサービスやショートステイなどのサービスを上手く活用してほしい」
「とても他人事とは思えない…自分事になった時にちゃんとできるか不安だ」
「番組で紹介された人たちはまだマシな事例だと思いたい。本当に自分にできるか怖くなってきた…」
自分を育ててくれた両親が弱っていく様を見るのは、耐え難いものです。また、仕事に打ち込んでいた男性は家事や料理が不慣れなことも少なくなく、完璧主義で誰かに頼ることを良しとしない、男性特有の問題が見えてきました。
ますます高齢化が進む日本において、介護問題は決して他人事ではありません。今からでも、やれることからやっていくことが大切だと言えるでしょう。
<TEXT/湯浅肇>