不動産で騙されないための心構えは? 業界のプロが語り合う/夏原武×全宅ツイ
夏原「僕、20代は悪い人だったから」
――ちなみに、2022年に住宅ローン控除が見直されるようですが、その影響は?(編集注:政府・与党が住宅ローンの控除額を2022年に1%から見直す方針を発表)
グル:今は住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から控除されていて、金利が1%以下だと逆ザヤ状態(編集注:利息で払う分よりも、減税で返ってくるほうが多い)だった。それが解消される見込みなので改悪やと思いますよ。
かずお:面積の要件が50平米から40平米に緩和されるけど、悪影響のほうが大きそうですね。
――ローンの与信を高めるには仕事が大切です。夏原さんはライターからキャリアをスタートして、作家・原作者と活躍の場を広げていますが、20代の経験は役立ちましたか?
夏原:僕、20代は悪い人だったからねー(笑)。30歳過ぎてから物書きになったんだよね。ただ若い時はやっぱり、失うものはないという気持ちで、いろんなことにチャレンジするのが重要。最近は守りに入っている若者が多いなと思う。いろんなことをやってみたら、もしかしたら自分にすごく合うことが見つかるかもしれない。若いうちから決め打ちは絶対しちゃいけない。年取ると決め打ちしかできないんだから……ねえ、ようすけ。
ようすけ:自分、ポスティングしかできないので! 決め打ちだけ!(笑)。
夏原:ちなみにみなさんがもし20代に戻れるとしたらどう?
グル:やっぱり不動産買ってる気がしますね。
かずお:それでまたリーマンショックで大暴落するんでしょ(笑)。一度、失敗して転ばないとわからないから。
若いうちは「ボラティリティの高い仕事」に
どエンド:若いうちはボラティリティの高いことを目一杯やったほうがいいと思いますね。僕は20代のとき、小さなワンルームマンションの一室で「iモードサイト」を売るような会社で働いてて、給料4万円だったんですね。ただ、その替わりに歩合が20%つくので、それがヒットしたおかげで何とかお給料がもらえるようになったし、投資の種銭も作れた。でもなー。それは東京に実家があったから最悪4万円でも暮らせたけど、地方から上京した身だったら選べない選択肢ですよね…。
でも、アマゾンの巨大倉庫でピックアップとか一生懸命やっていても年収の上振れは正直厳しいじゃないですか。その働きが誰かの目に留まって、アマゾンの幹部になることは絶対ないじゃないですか。そう思うと、お偉いさんが見て、「アイツ面白いことやってるな」と思って引き上げてもらえるような場所に意識して身を置くのは大事かな。
夏原:それ重要だね。
どエンド:もちろん、「三菱地所」とかに正社員で入社できるならそれが一番いいんですけど、それができなかったらリスク取ってボラティリティの高いとこで上振れを狙うほうが面白い。
夏原:なんていうか、家買うとマイナス思考になる人がいるんですよ。それに縛られる。「買ったら転勤・異動ができない」とか言うけど、「俺は家のために働いている」って思考の順番が逆。「おれはこれだけの与信があるのだから、これを使わないのはもったいない」という人に当たるか、「いやー、俺は一生家の奴隷だよ」という人に当たるか。この影響は大きいですよ。だから、若い人は、とりあえず全宅ツイのアカウントを眺めて欲しい。みんな気軽に不動産買っているから。
かずお:呼吸するように物件を買っていますからね。どエンド君なんて、お好み焼き屋の鉄板の上で実印ついていたし(笑)。