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DeNAを辞めた20代女性が、パラレルキャリアを歩めた理由「好きなことを仕事に」

ビジネス

 2020年4月に大手IT企業DeNAを退職し、独立した“パラレルキャリア女子”の白鳥音々さん。パラレルキャリアとは「本業とは別の仕事や社外活動を並行して行うこと」。収入だけでなく、やりがいにも重きを置くという、今注目の働き方です。

白鳥

インタビューに答える白鳥さん

 白鳥さんも現在は、女性向けSNSコンサルティングを主軸に、オンラインサロン・イベント主催、バレエとピラティスを掛け合わせたトレーニング「バレティス®」の講師、モデル、インフルエンサー業などをこなしています。

 早稲田大学を卒業後、人材大手パソナグループで働き、DeNAに転職。一見順風満帆な人生を歩んでいるようですが、3年前までは引きこもり気味で地味な性格だったそうです。そんな彼女がどのように変化し、現在に至ったのか。現時点での心境を語ってもらいました。

ファーストキャリアの決め手はバレエを軸に

 早稲田大学を卒業後パソナに入社した理由について、白鳥さんは「社会人になってもバレエを続けられることを優先して就職活動をしていました」と語ります。

「バレエスタジオから会社へのアクセスもよく、定時も17時半だったので、仕事終わりにレッスンに行けたんです。もちろん会社や先輩たちの人の魅力もありましたよ。私はIT職の派遣をメインに担当していましたので、キャリア相談に来られたエンジニアさんやクリエイターさんの窓口としてスキルや実績をヒアリングし、就業サポートをさせていただいたり、企業人事担当者とのやりとりをしていました」

 やりがいを感じていたのに転職を決めたのは仕事の内容に不満が? と尋ねると、「いえ、不満は何もなかったです。実は、たまたま取引先からのお誘いで、飛びつくようにお願いしました」と明かしてくれました。

「パソナで働いていたとき、私は渋谷エリアのWeb系の企業を担当していたのですが、注力企業の1社がDeNAで、偶然にもやり取りをしていた人事の方が異動になるということで、後任募集のお話をいただきました。それだったら私が行きたいです! と、部長に手を挙げたんです

 自分の意思をしっかり告げることで、当時の社長や部長も背中を押してくれて、無事にDeNAに転職します。誰より充実したOL生活を送っている自負もあったという白鳥さんですが、2017年に人生の大波乱が起きてしまいます――。

掴みかけたシンデレラストーリーの崩壊

白鳥

バレエ「シンデレラ役」を踊る白鳥さん

「社会人になってからも所属のバレエスタジオでは、念願の主役を踊らせてもらい、アシスタント講師のお誘いもいただいていました。バレリーナ、そしてバレエの先生になることが、小さい頃からの秘めた夢でした。だからこそ、後は旦那様を見つけるだけだと、婚活をしようともしていました」

 そんな時に突然、信頼していたバレエの先生との関係が崩れてしまいます。
いい歳した女子が、深夜の改札前、先生に向かって土下座してお詫びした日もありました。それでも許してもらえることはなく、度重なる暴言や対応・態度に、精神的にかなり追い込まれてしまい……」。

 出社してもなかなか仕事が手に付かず、自殺相談窓口に電話をした日もあったそう。当時の白鳥さんは、とにかく殻にこもりがち、会社とバレエスタジオと自宅以外に居場所はありませんでした。飲み会など複数人で会うこともとにかく苦手だったそうです。

 しかし、ある時、「自分の見ている世界が狭かった」と反省したそう。社会人のコミュニティーや勉強会などに参加しはじめ、女子大生と社会人の集う女子サークル「キャリアチアリーダーズ(CCL)」にも入会。そして早々に、プロデューサーの推薦で初代代表になります。「それまでの“極端に安定志向なキャラクター”から、いつの間にか“独立”というキャリアパスが、少しずつ現実になっていったように思います」。

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